発達障害の子どもはオムツ替えを嫌がる?考えられる理由と対処法を解説

発達障害の子どもはオムツ替えを嫌がる?考えられる理由と対処法を解説

発達障害のある子どもがオムツ替えを嫌がって困っている

オムツ替えを嫌がるけどこれって発達障害?

そんな不安を抱えている保護者の方は少なくありません。毎回のオムツ替えが戦いのように感じ、親子ともに疲れ切ってしまう日もありますよね。

この記事では、発達障害の子どもがオムツ替えを嫌がる理由と、スムーズにするための具体的な対処法を解説します。「子どものオムツ替えにどう対応したらいいかわからない」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。

目次

オムツ替えを嫌がる子どもは発達障害?

テープタイプのオムツを交換する様子

結論からお伝えすると、オムツ替えを嫌がる子どもに必ずしも発達障害があるとは限りません。多くの子どもにとって、オムツ替えは少なからず不快な体験なためです。

ただし、発達障害がある子どもの場合、一般的な子どもよりも激しく嫌がる場合があります。感覚の違いコミュニケーションの特徴などが影響して、オムツ替えが非常につらく感じてしまうのです。

発達障害の診断は、ある程度の年齢にならないと明確にはわからないことも多いため、焦らずに子どもの成長を見守るとよいでしょう。とはいえ「もしかして…」と感じたら、まずは子どもの気持ちに寄り添いながら、専門家に相談するのも大切な一歩になります。

発達障害の子どもがオムツ替えを嫌がる主な理由

テーブルに手を置きながら泣くこども

発達障害の子どもがオムツ替えを嫌がる背景には、大きく3つの理由があります。以下で詳しくみていきましょう。

1.感覚過敏による不快感

発達障害のある子どもの多くは、感覚過敏という特性を持っています。感覚過敏とは、音や光、触感、匂いなどの感覚刺激を通常よりも強く感じてしまう状態のことです。私たちが何気なく感じている刺激も、感覚過敏のある子どもにとっては想像以上に強く不快に感じます。。

たとえば、以下のような刺激が挙げられます。

  • おしりふきの冷たさや湿った感触
  • 新しいオムツの素材のガサガサ感
  • 保護者の手の温度や触れる圧力
  • クリームやローションのべたつく感覚など

また、オムツを広げる際の「ガサガサ」という音やテープを剥がす際の「ビリビリ」といった音なども、子どもにとって大きなストレスになることがあります。

2.予測できない状況への不安

発達障害の子どもは、変化予測できない状況に強い不安を感じやすい傾向があります。

たとえば、遊んでいるときに突然「オムツ替えるよ」と声をかけられたり、楽しい時間が急に中断されたりすると、心の準備ができずパニックになってしまいます。また、オムツ替えにどのくらい時間がかかるのかも予測しにくく「いつ終わるんだろう」という不安も大きいものです。

大人にとっては特に疑問を感じることのない“オムツ交換”ですが、発達障害の子どもにとっては「いつ始まるかわからない活動」のため、ストレスを感じやすいのです。

さらに、オムツ替え中の「体を動かせない状態」に対して恐怖心も抱く場合もあります。

トイトレ博士

「コントロールできない状況」は、子どもにとって大きなストレスなんじゃ

3.自分の気持ちや体の状態を上手に伝えられない

言葉でのコミュニケーションが難しい子どもの場合「お腹が痛い」「眠い」「もう少し遊んでいたい」「いまは触られたくない」などの思いを言葉で伝えるのが困難です。そのため、泣いたり暴れたりして気持ちを表現しようとします。

大人から見ると「わがまま」や「反抗」のように見える行動も、実は子どもなりの精一杯のコミュニケーションです。

ライターMIzuki

オムツ替えを嫌がる行動も、実は子どもが伝えたい大切なメッセージが込められていると解釈すると、保護者自身も気持ちが少し軽くなるかもしれません。

発達障害児のオムツ替えをスムーズにするための環境づくり

オムツの入ったかごとウサギのぬいぐるみ

とはいえ、あまりにも毎回オムツ替えを嫌がられると疲れてしまう…

ここまでお読みになり、そう感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オムツ替えは、1日に何度もあるものです。だからこそ、子どもが少しでも安心してオムツ替えに応じられるようになれば、親子のストレスを大幅に軽減できます。

そのためには、以下のようなちょっとした準備”がポイントです。

感覚に配慮した準備

感覚過敏のある子どもにとってオムツ替えの環境そのもの」を整えるのはとても重要です。たとえば、おしりふきを人肌程度に温めてから使うと、冷たさによる不快感を和らげられます。

部屋の温度は25℃前後に保ち、保護者の手も温めてから子どもに触れるようにすると、温度差による驚きを減らすことができます。音への配慮も大切です。オムツやおしりふきは事前に準備しておくと、あまり音を立てずにオムツ交換ができます。

トイレくん

オルゴールや子どもの好きな童謡、自然音など静かな音楽を流すのも効果的だよ

また、明るすぎる蛍光灯は避けて優しい間接照明を使うと、子どもがリラックスできる空間を作れます。

安心できる場所の確保

白いクマのぬいぐるみがソファーに座っている様子

できるだけ毎回同じ場所でオムツ替えをするのも効果的です。毎回違う場所でオムツ交換をすると、場所が変わるたびに警戒心を抱いてしまい、不安が強くなることも。

オムツ替えの場所を決めることで、子どもは「ここは安全な場所」と認識しやすくなるのです。

できれば、子どもが好きなぬいぐるみやおもちゃを近くに置いて安心感を高めてあげると、より効果的です。子どもが好きなキャラクターの絵があるマットを選んだり、天井に子どもが好きなモビールを吊り下げたりすると、オムツ替えを楽しい時間に変えていけます。

トイトレ博士

「ここに来ると楽しい」と子どもが感じられるような空間が大切じゃ

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発達障害児のオムツ替えで使える!具体的な対処法とコツ

さらに、以下のような小さな工夫の積み重ねで、オムツ替えがスムーズになる場合があります。

オムツ替えの手順をできるだけ同じにする

発達障害の子どもは決まった手順」があると安心感を得られます。毎回同じ流れでオムツ替えをすると、子どもは「次に何が起こるか」を予測できるようになり、不安が軽減されるのです。

たとえば、以下のように同じ順序で進めてみるのも有効といえます。

  1. 「10分後にオムツを替えるよ」と声をかける
  2. オムツやおしりふきなど必要な物を準備する
  3. 子どもと一緒にオムツを替える場所に移動する
  4. 子どもが好きな歌を歌いながらオムツを替える
  5. 「さっぱりしたね」と声をかけて終了

もちろん、できる範囲で構いません。最初は時間がかかっても、慣れてくると子どもが自分から協力してくれるようになる場合もあります。

選択肢を提供する

「どっちのオムツにする?」と2つの中から選んでもらったり「どの歌を歌いながら替える?」と聞いたりなど、子ども自身が選択できる機会を作るのも一つの方法です。子どもは「自分で決められた」という満足感を得られます。

選択肢は多すぎると混乱してしまうため、2つから3つ程度に絞って提示するのがポイントです。また「立ったまま替える?横になって替える?」と姿勢についても選べるようにすると、子どもの「やらされている感」を減らせますよ。

トイトレ博士

小さな選択でも、子どもにとっては「自分の意見が尊重された」という大切な体験になるんじゃ

感情を示すサインを決める

言葉でのコミュニケーションが難しい子どもには、気持ちを表す絵カードを用意して「嬉しい」「痛い」「嫌」「おしまい」などの感情を表現できるようにしてあげるのも効果的です。

簡単な手のサインやジェスチャーも活用できます。首を振る・手をパタパタ振る・指をさすなど、子どもが使いやすいサインから始めて、少しずつ増やしていくとよいでしょう。

大切なのは、子どもがサインを出した際に、保護者がきちんと受け止めて反応することです。「嫌だったんだね」「痛かったのね」と共感を言葉にして返してあげると、子どもは「わかってもらえた」と感じられます。

ライターMIzuki

自閉スペクトラム症の娘と暮らす筆者は、このやり取りを重ねることで、お互いのコミュニケーションがスムーズになっていくのを感じました

自閉スペクトラム症の子供におすすめの絵カードの使い方についてはこちらの記事をチェック!

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楽しみを取り入れる

青と白のベビーモビール

歌や手遊びを取り入れて、オムツ替えを「楽しい時間」にすると、子どもの注意を引きつけられます。手遊びで気を紛らわせたり、オリジナルの「オムツ替えの歌」を作って一緒に歌うのもよいですね。

視覚的な楽しみも効果的です。天井にお気に入りのキャラクターのシールを貼ったり、カラフルなモビールを設置したりすると、子どもが上を向いている間にスムーズにオムツを替えられます。

また「オムツを替える時間だけの特別な楽しみ」として特別な絵本を用意すると、子どもがオムツ替えを楽しみにしてくれるようになりますよ。

発達障害の子どもがオムツ替えを嫌がる背景を知って、子どもに合ったかかわりをしよう

母と息子が顔を見合わせて笑っている様子

発達障害の子どもがオムツ替えを嫌がる背景には、感覚過敏予測への不安、コミュニケーションの困難さなど、さまざまな理由があります

完璧を目指す必要はありません。小さな変化を積み重ねながら、オムツ替えを「親子のコミュニケーションタイム」に変えてみてくださいね。

もしも「あまりに嫌がって手に負えない」と感じる場合は、家庭で抱え込まず、小児科や支援センターなど専門機関への相談も検討してみてください。

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この記事を書いた人

臨床心理・発達支援に携わるカウンセラー。日々お伺いするありのままの声をはじめ、自閉スペクトラム症の娘とのトイトレ経験をふまえて執筆しています。

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