発達障害のある子どもを育てていると「どうしてトイレに行ってくれないんだろう」「声をかけてもトイレを嫌がってしまう」と悩むことがありますよね。実は、子どもがトイレに行かない背景には、感覚の特性や不安感、体の動きの困難さなど、その子なりの明確な理由があるものです。
この記事では、発達障害の子どもがトイレに行かない理由をていねいに紐解いていきます。サポートのヒントもあわせてご紹介するので「なぜうちの子はトイレに行こうとしないんだろう」とお悩みの方は、ぜひお読みください。
発達障害の子どもがトイレに行かない主な理由とサポート方法

1.感覚の敏感さや鈍感さが影響している
発達障害のある子どもは、五感に対して敏感だったり、逆に鈍感だったりする場合があります。これが、トイレを避ける大きな要因となっているかもしれません。
感覚が敏感な子どもの場合、トイレの水が流れる音や換気扇の音などが苦手だったり、トイレの臭いや空間の雰囲気を不快に感じたりするケースがあります。また、便座の冷たさや質感を嫌がったり、トイレットペーパーの触感が気になったりする場合もあるでしょう。
一方、感覚が鈍感なことから尿意や便意を感じにくく、トイレに行くのが遅れる子どももいます。
この場合のサポート方法
・環境を整える(音を小さくする、臭い対策、便座カバーの使用など)
・一定時間で優しく声掛けする
・子どもの好む感覚刺激を取り入れる
環境を整えると、子どもの不安は軽減します。そのため、まずは「わが子が’安心してトイレに向かえる雰囲気作り」が大切です。なお、感覚が鈍感な場合は、定期的な声掛けで排泄のタイミングをサポートしてあげるとよいでしょう。
2.トイレへの「こだわり」があるため
発達障害のある子どもは、自分なりのルールやこだわりを持っているケースも少なくありません。それが、トイレを避ける理由になる場合があります。
たとえば、遊びを中断することができなかったり、いつものタイミングでないと嫌がったりします。また、特定の人とじゃないとトイレに行けない、決まった順序で行動したいという気持ちを持っている場合もあるでしょう。
トイトレ博士「自宅のトイレしか使いたくない」と訴える子どもも多いようじゃ
この場合のサポート方法
・無理強いせずに子どものタイミングを大切にする
・予告をしてから誘う
・子どもが安心できる環境を整える
子どものこだわりを否定せず、その特性を理解しながら少しずつ柔軟性を育てていくのがポイントです。「あと5分したらトイレに行こうね」など具体的に予告してあげると、見通しが立って安心できます。
▼発達障害の子どものトイレへのこだわりへの対処法はこちらで詳しく解説しています


3.トイレに対する苦手意識や不安感


これまでオムツで過ごしてきた子どもにとって、トイレは大きな変化を伴う場所です。特に発達障害のある子どもは変化に敏感なため、より強い不安を感じる場合があります。
また、トイレという個室空間への恐怖感や一人でトイレに行くことへの不安を抱いているケースもあるでしょう。さらに、過去にトイレで叱られた経験があったり、失敗したときに強く注意されたりした記憶が残っていると、トイレ自体を「嫌な場所」「怖い場所」として認識してしまう場合もあります。
この場合のサポート方法
・段階的に進める
・一緒にトイレに入って安心感を与える
・好きなキャラクターグッズなどで親しみやすい空間にする
最初は見学から始めて次に座ってみるなど、段階的なアプローチを試みます。子どもがトイレに対して「怖い場所」ではなく「安心できる場所」だと感じられるようになるのが大切です。



ゆっくりとトイレに慣れ親しんでもらうのが、成功のコツなんじゃな
▼トイレへの恐怖心がある子どもにはこちらの記事もおすすめ!


4.トイレに関する意思疎通が難しい
言葉でのコミュニケーションが苦手な子どもの場合、トイレに関する気持ちや状況を伝えるのが難しい場合があります。尿意や便意を言葉で伝えられなかったり、トイレに行きたい気持ちを表現できなかったりする子どもも多いのが特徴です。
また、保護者の説明や指示が理解しにくかったり、不安や嫌がる理由を説明できなかったりすることもあるでしょう。
この場合のサポート方法
・絵カードなどの視覚的な支援を活用する
・子どもの表情や仕草から気持ちを汲み取る
・簡単な言葉やジェスチャーでやり取りする
視覚的な支援を使うと、子どもにとってもわかりやすく、安心してトイレに向かいやすくなります。また、落ち着きがなくなったりそわそわし出したりなど、トイレに行きたいサインや行動が見られた際に誘ってみるのも有効です。



言葉以外の方法でも、十分にコミュニケーションは取れるんじゃ
▼自閉スペクトラム症の子どものトイトレには絵カードもおすすめ!


5.体の発達や運動面の課題


トイレでは、便座に座ってバランスを保ったり、ズボンを着脱したりと、たくさんの動作がありますよね。そのため、体を思うように動かすのが苦手な子どもや複数の動作を同時に行うのが難しい子どもの場合、トイレでの一連の行動が複雑に感じられます。
また、「トイレットペーパーを適量取る」「手洗いをする」などの一連の動作が、難しく感じるケースもあるでしょう。
この場合のサポート方法
・補助便座や踏み台を活用して安定させる
・流れを示したボードを作成して手順をわかりやすくする
・着脱しやすい衣服を選ぶ
体の動きをサポートする道具を使ったり、複雑な動作を分かりやすく示したりすると、子どもが「できた!」という達成感を味わえるようになります。小さな成功の積み重ねが、大きな自信につながっていくでしょう。
発達障害の子どもに適したトイトレの方法は?


発達障害のある子どものトイトレで最も大切なのは、子どものペースに合わせて段階的に進める姿勢です。成功したときはたっぷりと褒め、失敗したときも「大丈夫だよ、また一緒にやってみようね」と前向きな声掛けを心がけてみてください。
他の子どもと比較せず、昨日のわが子と今日のわが子の小さな変化に注目するのがポイントです。また、保護者の方自身も完璧を求めすぎず、時には休息を取りながら、無理のない範囲でサポートしていくことを忘れないでくださいね。
一人で抱え込まず、かかりつけの小児科医や発達支援センターなどの専門機関に相談したり、保育園や幼稚園の先生と情報を共有したりして、周りのサポートも活用していきましょう。
▼発達障害の子どものトイトレ開始時期や成功のコツについては、こちらの記事をご覧ください


まずは「発達障害のわが子がトイレに行かない理由」を見つけるところから
トイトレがうまく進まないと、つい「自分のやり方に問題がある」と思ってしまいがちです。
しかし、まずは「子どもがなぜトイレに行きたがらないのか」の理由を見つけることが大切です。感覚の特性、不安、体の動きなど、子どもなりの複雑な理由が隠れているかもしれません。
理由がわかれば、子どもに合ったサポート方法が見えてきます。焦らず、子どもと一緒に歩んでいく気持ちを大切にしてくださいね。
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