発達障害の子どものトイレトレーニングはいつから始める?開始時期やトイトレ成功のコツをご紹介

発達障害の子どものトイレトレーニングはいつから始める?開始時期やトイトレ成功のコツをご紹介

発達障害のある子どもと暮らす親として、トイレトレーニングに不安を感じることはありませんか?「いつから始めればいいの?」「始めてみたけどうまくいかない…発達障害があるから?」そのような心配を抱えている方も多いでしょう。

この記事では、発達障害の子どものトイレトレーニングについて、開始時期や具体的な進め方などをご紹介します。「できるだけスムーズにトイトレを進めたい」という方は、成功のコツを掴む参考にしてみてください。

目次

発達障害の子どものトイトレ開始時期

一般的にトイレトレーニング(以下トイトレ)は、2歳前後から始めるケースが多いとされています。しかし、あくまで目安の時期です。

子どもの成長は個人差が大きいものです。特に発達障害の子どもの場合は、発達の特性や感覚過敏の程度によって、トイトレの適切な開始時期は異なります。そのため、周りの子どもと比較せず、その子なりの発達ペースを大切にするのが重要です。

無理に早く始めるよりも、子どもが準備できたタイミングでスタートするほうがより成功しやすくなります。

トイトレを始める前のチェックポイント

トイトレを始める時期は「親が“今日から”と決める」より「子どもの体と心の準備が整ってから」が適切といえます。わかりやすいチェックポイントは、以下の3つです。

1.排尿の間隔が2時間以上あいているか

山積みのオムツ

排尿までの間隔が2時間以上あいている場合、膀胱が成長してある程度の量の尿をためられるようになったサインです。オムツ交換の記録をつけたり、おしっこがしたいときの子どもの表情を確認したりするとわかりやすいでしょう。

2.一人で歩けるか

つかまり立ち歩きをしている子ども

トイレまで自分の足で移動し、便座に安定して座るために必要な身体能力です。しっかりとした歩行ができれば、トイレでの一連の動作をスムーズに行えるようになります。

3.言葉で簡単なコミュニケーションができるか

たどたどしく話す子ども

「おしっこ」「うんち」「したい」「でた」など、排泄に関する基本的な言葉や意思表示ができるかもチェックポイントです。言葉が難しい場合は、ジェスチャーや指さしができるかを参考にしましょう。

その他のチェックポイント

前述した3つのチェックポイント以外には

  • 一人で安定して座れるか
  • 濡れたオムツを嫌がるそぶりを見せるか
  • トイレに興味を示すか

などが挙げられます。

必ずしもこれら6つの条件がすべて揃っていなくても、2〜3つ当てはまればトイトレ開始を検討してもよいでしょう。

発達障害の子どもに適したトイトレの進め方

発達障害の子どものトイトレで大切なのは「子どもの様子をよく観察して無理させない」ことです。特性に合わせた方法で、段階的に進めていきましょう。

第1段階:トイレに慣れる

発達障害の子どもは「いつもと違う行動や場所」に戸惑いを覚えやすい傾向があります。そのため、まずはトイレという空間に慣れることから始めましょう。例えば、以下のようなアプローチがおすすめです。

  • トイレのドアを開けて中を見せる
  • 好きなおもちゃを持ってトイレに入る
  • トイレットペーパーを触る など

この段階では、とにかく「トイレは日常の一部で使う場所」ということを伝えます。

第2段階:便座に慣れる

トイレの空間に慣れてきたら、次は便座です。決まった時間にトイレに誘い、排泄パターンに合わせて便座に座る習慣をつけていきます。

実際に排泄ができなくても「座れたこと」を褒めてあげる段階です。トイレに行くルーティンを身につけることを目標にしましょう。

第3段階:タイミングを覚える

声掛けによって決まった時間にトイレへ行けるようになり、便座に座るのも慣れてきたら「誘導してもらう状態」から徐々に「子ども本人が自分の排泄のタイミングを掴んでいく」段階に入ります。ただし、排泄したい感覚が掴みにくい発達障害の子どももいるため「自分の尿意を理解すること」だけにこだわる必要はありません

たとえば「起床後や食事前後はトイレへ行く」「トイレへ行ってから2時間経ったからそろそろ行く」など、子どもなりのルールをつくるとよいでしょう。

第4段階:自分から伝える

トイレに行きたい気持ちや排泄のタイミングを掴めてきたら、それを言葉やジェスチャーで伝えられるように練習します。言葉が難しい場合は、トイレのマークを指差ししたり絵カードを出したりするなど、子どもに合った方法を見つけましょう

偶然でもトイトレに成功した際は大きく褒め、好きなシールやスタンプでご褒美を用意してあげると、自己肯定感の向上や達成感につながります。子どもが自信をなくしてしまわないように、失敗しても決して叱らず「次は大丈夫」「今度はうまくいくよ」と励ましの言葉をかける姿勢も大切です。

発達障害の子どものトイトレ、成功のコツは?

発達障害の子どものトイトレを成功に導くためには、一般的な方法とは異なる配慮が必要です。ここでは、特に効果的な3つのコツをご紹介します。

トイレへの不安をできるだけ取り除いてあげる

お気に入りのぬいぐるみと一緒にトイレに座る子ども

前述したとおり、発達障害のある子どもは、新しい環境や変化に対して強い不安を感じやすい傾向があります。そのため、まずは「トイレを子どもにとって安心できる場所にすること」が大切です。

たとえば、子どもが好きなキャラクターのポスターを貼ったりお気に入りのぬいぐるみを置いたりして、親しみやすい空間を作りましょう。また、トイレの扉を少し開けておくと、閉塞感を和らげられます。

さらに、短い絵本を読んだり好きな歌を一緒に歌ったりするのも「トイレ=楽しい時間」という印象を作るのに効果的です。

視覚的支援を活用する

なかには「言葉だけの説明よりも、目で見て理解できる情報の方が処理しやすい」という子どももいます。そのため、絵カードや写真で手順表を作成するのも成功の秘訣です。

▼手順表の流れの一例

  1. トイレでスリッパを履く
  2. 電気をつける
  3. ズボンを下ろす
  4. 便座に座る
  5. 用を足す
  6. 拭く
  7. 流す
  8. スリッパを脱いでトイレを出る
  9. 手を洗う

手順表は、子どもが自分で確認しながら進められるように見える場所へ貼っておきましょう。

また、一日の流れの中でトイレの時間を視覚的に示せるスケジュール表も便利です。「朝起きたら」「食事の後」「お出かけの前」など、決まったタイミングでトイレに行く習慣を作りやすくなります。

さらに、成功を記録する表も大切な視覚的支援です。トイレへ行けた日はカレンダーの日付欄にシールを貼るなど「成功を見える化」すると、子ども自身が自分の成長を実感できます。ただし、成功の数が見える状態にプレッシャーを感じている様子が見られる場合は中断してください。

▼視覚支援を利用したトイトレについてはこちらの記事でも詳しく解説しています

感覚過敏へ配慮する

感覚過敏対策のためにイヤーマフをつける子ども

発達障害のある子どもは、音、光、触覚などの刺激を過剰に強く感じてしまう場合があります。一つひとつの感覚へ丁寧に配慮するのも、トイトレ成功のための道です。

触覚への配慮

便座の冷たさや硬さが苦手な子どもには、以下の工夫が効果的です。

  • 柔らかい便座カバーを使用する
  • トイレットペーパーは肌触りのよい厚手のものを選ぶ
  • 必要に応じて濡れタイプのトイレットペーパーも用意する

また、手洗いの際には、水の温度や水圧を子どもが快適に感じる設定に調整しましょう。

聴覚への配慮

水を流す音や換気扇の音が苦手な子どもには、以下の方法で対応できます。

  • 事前に音を聞かせて段階的に慣らす
  • 好きな音楽を小さく流して不快な音を聞こえにくくする

音に特に敏感な場合は、イヤーマフなどの使用を検討するのも一つです。

嗅覚への配慮

匂いに敏感な子どもには、以下の点に注意します。

  • 芳香剤は無香料のものに変更する
  • 換気を十分に行い、匂いの刺激を減らす

トイレカバーの洗剤の匂いや掃除後のクリーナーの匂いなど、芳香剤以外の匂いに敏感な子どもも多くいます。反応を見ながら調整してみてください。

視覚への配慮

「暗すぎると不安」「明るすぎると眩しくて落ち着かない」と訴える場合は、照明の調節も重要です。以下の工夫で快適な環境を作れます。

  • 蛍光灯のちらつきが気になる場合は、LEDライトに変更する
  • 照明の明るさを調整する
  • 壁紙や装飾品は、子どもが落ち着ける色合いや柄を選ぶ

「トイレは安心できる場所」と教えてあげるところから

トイレの画像

発達障害の子どもにとって、ときにトイレは不安や緊張を感じる場所になりがちです。そんな姿を見ると、親としては安心させてあげたい反面、トイトレが進まない焦りやもどかしさも感じてしまいますよね。

しかし、すぐに完璧にする必要はありません。トイトレは、子どものペースに合わせて無理せず進めるのが一番のポイントといえます。あたたかいサポートと成功体験が積み重なれば、子どもの自信にもつながっていくでしょう。

周りのペースに惑わされず、環境づくりを通じて「トイレは安心して使える場所なんだよ」と子どもに伝えてあげてください。

【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】

尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。

今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。

【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生

横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること

  • 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
  • 今日からできる排せつ支援の工夫
  • トイトレを始めるタイミングの見極め方
  • 焦らず進めるための考え方 など

その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。

講師は、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家(理学療法士 兼 公認心理師)
たった30分の無料講座
毎日オンライン開催しているので都合に合わせて視聴可能

▼排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座の詳細はこちらから

みんなのトイトレ体験談

▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例

▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

発達障害の子どものトイレトレーニングはいつから始める?開始時期やトイトレ成功のコツをご紹介

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よろしければシェアおねがいします!

この記事を書いた人

臨床心理・発達支援に携わるカウンセラー。日々お伺いするありのままの声をはじめ、自閉スペクトラム症の娘とのトイトレ経験をふまえて執筆しています。

目次