小児の自己導尿は、導尿が必要な子どもが自分で排尿を管理していくために行うケアのひとつです。
導尿が必要な子どもを育てている方の中には、

いずれは子どもが自分で導尿できるように練習が必要かな



いつから、どんな風に練習したらいいの?
といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、自己導尿とはどんなケアなのかや練習を始める時期の目安、男女別の手順とポイントについて解説します。
実際に自己導尿をするときのコツについても紹介するので参考にしてください。
自己導尿とは


自己導尿とは、疾患・障がいによって自分の力だけでは尿を出しきれない場合に、尿道からカテーテルを入れて、膀胱にたまった尿を身体の外に出す方法です。
うまく尿を身体の外に出すことができないと、感染や腎臓の機能低下などさまざまなリスクにつながる恐れがあります。そのため、定期的に尿を身体の外へ出すことが大切です。
▼尿が溜まりすぎることのリスクや導尿の必要性について詳しくはこちらの記事で解説しています


導尿は膀胱に尿が溜まりすぎないよう、適切な間隔で行う必要があります。
一般的に大人の場合4〜6時間おきの指示されることが多いですが、小児の場合は膀胱が小さく、また年齢によっても膀胱に溜められる尿量に幅があります。導尿の間隔は主治医と相談のうえ決めましょう。
自己導尿はいつから練習する?
自己導尿の練習は、可能であれば、5歳頃から就学に向けて練習し始めることが望ましいといえます。ただし、障がいの程度や発達状況によって練習を開始する時期は異なります。
具体的には、以下のようなポイントから「自己導尿ができる」と判断された場合に練習を開始することが多いです。
- 手先の運動機能:カテーテルを持つ・操作するなど、導尿に必要な細かな動きができるか
- 理解力:手洗いや清潔操作の必要性を理解し、導尿の流れを順序立てて行えるか
- 姿勢保持ができるか:安定した姿勢を保ち、無理のない体勢で操作できるか
- 心理面:自分で行うことへの抵抗が強すぎず、練習に取り組める状態か
すぐに練習を開始するのが難しい場合でも、本人が導尿に興味を持ち始めたタイミングで一緒に物品を準備したり、普段の導尿の流れを説明しながら行ったりできると、自立に近づきます。
自己導尿の方法と男女別のポイント


ここでは一般的な自己導尿の流れを説明します。挿入の長さやカテーテルのサイズは子どもによって違うため、病院で教わった方法で行ってください。
自己導尿に必要な物品
自己導尿で使うものは以下の物品です。
- カテーテル
- 潤滑剤
- 消毒薬と消毒綿
- 尿を受ける容器やオムツ
- ごみ袋
- 鏡
女の子は尿道口の位置を自分で確認しにくいことがあるため、鏡があるといいでしょう。
自己導尿の手順
- 必要な物品を準備する
- 石けんで手を洗って清潔にする
- カテーテルを開封して潤滑剤をつけておく



慣れるまではカテーテルから尿が垂れてしまうこともあるので、シートやオムツを敷いておくと安心じゃ。
ここからは男女別に説明します。
男の子の場合
- 下着を下げる
- 陰茎が見えて導尿しやすい姿勢をとる
- 包皮をやさしくむいて尿道口を露出する
- 尿道口から外側に向かって消毒する
- 陰茎を立てるように軽く持ち上げる(90度の角度)
- もう片方の手で鉛筆を持つようにカテーテルを持つ
- カテーテルを10㎝程度、ゆっくり尿道口から入れる
- 尿が出てきたら陰茎を下に向けて、しっかり出し切る
- 尿が止まったら1㎝程カテーテルを抜き残尿がないか確かめる
- カテーテルをゆっくり抜く
- 手を洗って片づける



導尿しやすい姿勢はトイレに座る、立つ、ベッドの上、車いすに乗ったままなど本人が安定しやすい方法でOKです。
女の子の場合
4.下着を下げる
5.導尿しやすい姿勢をとる
6.手鏡を使って尿道口を確認する
7.尿道口とその周囲を前から後ろに消毒する
8.片手で陰唇を広げる
9.もう片方の手で鉛筆を持つようにカテーテルを持つ
10.尿道口からカテーテルを入れて、尿が出るまで数㎝ゆっくり進める
11.尿が止まったらカテーテルをゆっくり抜く
12.手を洗って片づける



女の子もトイレに座って膝を少し開く、片足を便座に乗せて上げる、立位、車いすに座ったまま、ベッドの上などやりやすい方法で行いましょう。また、肛門の細菌を尿道口へ広げないため前から後ろに消毒することも大切です。



上手にできたらしっかり褒めて、出来ることがふえてきたらチェック表をつくるのもおすすめじゃよ。
このときおしっこの量や性状(濁り)などをチェックする習慣をつけておくと、変化があったときに気付きやすいです。
▼詳しい手順についてはこちらの記事を参考にしてみてください。


自己導尿に関するQ&A


ここでは自己導尿に関する疑問にお答えしていきます。
自己導尿が痛いときは?
緊張していたり潤滑剤が少なかったりすると、カテーテルを入れるときに痛みが出やすくなります。一度気持ちを落ち着けて、息を吐きながらゆっくり入れてみましょう。また、潤滑剤を多めにつけると痛みがやわらぎやすいです。
それでも強い痛みがある、毎回痛む場合には、カテーテルの種類や正しい方法で出来ているか再度見直す必要もあるため、病院に相談してみましょう。
出血してしまったときは?
カテーテルに少し血がついたり、尿が少し赤くなっている場合、尿道のどこかに小さな傷がついている可能性があります。自然に血が止まることが多いですが、様子を見ても止まらなかったり、心配なときは医師に相談しましょう。あらかじめ、受診時に対応を確認しておくと安心です。
鮮やかな赤い血尿が続く、血の塊が混じるときは受診が必要です。どのくらいの量か、いつから続いているかを確認して、診察時に伝えるとよいでしょう。



変わったことがあったら親や先生に伝えるように、子どもにも説明しておくことが大切です
カテーテルがうまく入らないときは?
カテーテルがうまく入らないときは無理に入れようとせず、いったん中止して時間をおいてからやり直してみてください。焦ったり緊張すると入りにくくなります。
また、女の子でカテーテルが入っているのに尿が出ない場合、膣に入ってしまっていることもあります。一度カテーテルを抜き、鏡などで尿道を確認しながら再度ゆっくり行ってみるとよいでしょう。
学校での自己導尿はどうする?
学校での自己導尿は、保護者が学校にいって行ったり、特別支援学校であれば学校の看護師が行ったり、自治体によってさまざまです。
看護師の派遣など支援を受けながら進められる場合もあります。



筆者の友人は、導尿が必要な子を育てています。子どもが保育園に通っていたときは友人が1日2回導尿に通っていましたが、小学校では訪問看護師が学校に訪問して導尿してくれることになったそうです。
事前に学校と、看護師の派遣の可否、導尿の場所やタイミング、物品の保管方法、校外学習のときはどうするかなど話し合っておくと安心です。
自己導尿の方法を知って少しずつ練習していこう
自己導尿は子どもが自分の健康を守るために大切なケアです。
練習を始める時期は子どもの状況により異なりますが、手を洗う、準備をする、片づけをするなどできるところから少しずつ練習していくことで自立に近づきます。
親子だけで抱え込まず、主治医や看護師、学校とも連携しながら、その子に合ったペースで進めていきましょう。
【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】
「尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。
今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。
【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生
横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること
- 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
- 今日からできる排せつ支援の工夫
- トイトレを始めるタイミングの見極め方
- 焦らず進めるための考え方 など
“その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。
・講師は、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家(理学療法士 兼 公認心理師)
・たった30分の無料講座
・毎日オンライン開催しているので都合に合わせて視聴可能
▼排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座の詳細はこちらから
みんなのトイトレ体験談
▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例
▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!














