
何度言ってもトイレットペーパーを出しすぎてしまう



また詰まらせてしまった…
トイレットペーパーを引き出しすぎてしまう子どもに言葉で説明しても伝わらず、つい叱ってしまったあとに罪悪感を抱えてしまう保護者もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、視覚支援を活用してトイレットペーパーの適切な長さをわかりやすく伝える方法と、今日から使える手作りツールを紹介します。「うちの子には言葉での説明が通じない」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。
子どもがトイレットペーパーを使いすぎるのはなぜ?
子どもがトイレットペーパーを出しすぎてしまう背景には、主に以下の理由が考えられます。
- 「適切な長さ」が感覚的にわからない
- 言葉だけでは長さのイメージがつかみにくい
- 引っ張る動作そのものが面白くて止まらない
「このくらい」という量の感覚は、経験や視覚的なイメージが積み重なって身につくもの。発達障害や知的障害のある子どもは、この感覚が育ちにくい場合があります。また「少しだけ引っ張って」「3枚分くらい」と言われても、その長さを頭の中でイメージできないと、毎回バラバラな量になってしまいがちです。
さらに、感覚的な刺激を好む傾向のある子どもは、くるくると引き出す動作を繰り返してしまう場合があります。
トイレットペーパーの長さを伝えるには視覚支援が有効
発達障害や知的障害のある子どもは一人ひとり特性が異なりますが、耳で聞いた情報よりも目で見た情報のほうが処理しやすい子どもも多くいます。
叱って解決しようとしても根本的な困りごとには届きにくいため「仕組み」を見直すのが有効です。
トイレットペーパーの長さも「ここまで」という目印が目に見える形になる仕組みを作れば、毎回言葉で説明しなくても子ども自身で判断しやすくなります。



保護者が毎回声をかける必要がなくなり、子どもも「自分でできた」という自信につながるんじゃ
つまり、視覚支援を取り入れることで以下の変化が期待できます。
- 毎回の声かけが減り、保護者の負担が軽くなる
- 子ども自身が「自分でできた」と感じやすくなる
- 叱る場面が自然と減っていく
今日から使える!トイレットペーパーの長さを伝えるツール5選



視覚支援と言われても、何を用意すればいいかわからない…
そう悩む方もいらっしゃいますよね。ここでは、トイレットペーパーの長さを伝えるために手軽に作れるツールを5つ紹介します。
① ロールに「止める」の印をつける


子どもがトイレを使用する前に、ペーパーロールの表面にマジックやシールで「ここで止めてね」のマークをつけておく方法です。
ロールを替えるたびに印をつける手間はありますが「シールが見えたら止める」というシンプルなルールのため、もっとも目で見てわかりやすい支援方法といえます。
慣れてきたら「何枚めのマスに印をつけるか」を子どもと一緒に決めるようにすると、自分でルールをつくる経験にもつながります。
② 紐を使った「長さの見本」




肘から手首程度の長さ(約30〜40cmほど)に切った紐を、トイレの壁やドアに貼っておくだけです。子どもは引き出したペーパーを紐と並べるだけで長さを確認できます。
紐の素材は、毛糸や綿ロープなど手触りのよいものがおすすめ。色は赤や黄色など目立つものを選ぶと、子どもが自然と目を向けやすくなります。
③ ホルダーに巻き数を示すシールを貼る


トイレットペーパーホルダーの側面に「3回転」など回転数をシールやテープで示しておく方法です。ペーパーを引き出しながらホルダーの印を見るだけで、止めるタイミングが一目でわかりやすくなります。
ポイントは、子どもの目線の高さに合わせた位置に貼ること。大人の目線で貼ってしまうと、子どもが確認しにくくなります。
マスキングテープやカラーテープを使えば、壁を傷めずに済むうえに、位置の調整も簡単です。シールが剥がれやすい場合には、上からセロテープで補強しておくと長持ちします。
④ 床や壁への「止める」マーク


床や壁に目印となるシールを貼り「ペーパーの先がここに届いたら止める」というルールをつくる方法です。視覚的な「ゴール」が明確になるため、動作の終わりがわかりやすくなります。
床に貼る場合は、トイレットペーパーを引き出した際に先端が自然と届く位置を事前に確認してから貼るのがおすすめです。シールは大きめで目立つ色のものを選ぶと効果的。動物やキャラクターのシールにすると、子どもが楽しみながら目印を確認するきっかけにもなります。
⑤ 写真カードで「正解の長さ」を示す


トイレットペーパーを適切な長さに引き出した状態を写真に撮って、ラミネートしてトイレに貼っておきます。「この写真と同じになったらOK」という形で伝えられるため、言葉が少なくてすむのがメリットです。
写真を撮る際は、実際に子どもが座った目線の高さから見えるアングルで、垂れたペーパーの長さが一目でわかるように撮影するのがポイント。カードは子どもの目線の高さに合わせた位置に貼ると、座ったまま自然に見比べられるようになります。写真に「OK」や笑顔のイラストを添えると、正解したときのイメージが子どものなかで結びつきやすくなります。



ラミネート加工はコンビニや100円ショップできるため、手間をかけずに作れるのもうれしいポイントじゃな
ツールを使う際に意識したいポイント
視覚支援のツールは、子どもの特性や生活リズムによって効果の出かたがさまざまです。「作ってみたけれど使ってくれない」「最初はよかったのに続かない」と感じた際には、以下のポイントを見直してみてください。
ツールを子どもと一緒に作る
「自分のために自分で作ったもの」という感覚を子どもに持たせると、愛着がわいてツールを使おうとする姿勢につながりやすくなります。そのため、ツールを作る工程を一緒に楽しんでみるのがおすすめです。
また、自分でツールを作ること自体が、ペーパーの適切な長さを意識するきっかけにもなります。「どのくらいの長さがいいと思う?」と子どもに問いかけながら一緒に考えると、ルールを「押しつけられたもの」ではなく「自分で決めたもの」として受け取りやすくなります。
最初は一緒に確認する時間を設ける
ツールを使い始めても、しばらくは子どもと一緒にトイレットペーパーの長さを確認すると良いでしょう。「紐と同じ長さになったね」など、できた場面を一緒に確認する時間をもつと、子どものなかに適切な長さの感覚が少しずつ定着していきます。
最初から一人でできなくても、焦る必要はありません。毎回完璧にできなくても「前よりも近い長さになった」という小さな変化を一緒に確認していくのが、習慣化への近道です。
うまくできたときにさりげなく一緒に喜ぶ
うまくできたときは褒めてあげると、次の行動へのモチベーションになります。大げさに褒めなくても、一緒に喜ぶ雰囲気を大切にすると、成功体験が少しずつ積み重なっていくものです。
「また失敗した」という場面よりも「今日はうまくいった」という場面に意識を向けると、子どもの自己肯定感を育てるのにもつながります。
いくつかのツールを試してみる
紐が合わなければ写真カード、写真カードが合わなければマーキングというように、子どもの特性や反応を見ながら調整していくのも大切な過程です。
子どもによって、視覚的に処理しやすい情報の種類は異なります。色の鮮やかさに反応しやすい子もいれば、写真のほうがイメージしやすい子もいます。
「このツールが効かなかった=視覚支援が向いていない」ではなく「別の伝え方を試す段階」と捉えると、保護者自身も気持ちを切り替えやすくなるためおすすめです。
視覚支援の仕組みで子どもの自立を支えよう
発達障害や知的障害のある子どもへトイレットペーパーの適切な長さを伝えるには、言葉だけに頼らず「目で見てわかる仕組み」をトイレに整えることが大切です。
この記事で紹介した方法は、紐・シール・写真カードなど、特別な材料は必要なく、今日から始められるものばかりです。子どもの反応を見ながら、少しずつ調整してみてください。
ツールを取り入れることで保護者の声かけの負担が減り、子ども自身の「できた」という経験も積み重なっていきます。
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