【感覚過敏】トイレの音や冷たさがつらい子への対策まとめ|特性別アプローチ

【感覚過敏】トイレの音や冷たさがつらい子への対策まとめ|特性別アプローチ
【感覚過敏】トイレの音や冷たさがつらい子への対策まとめ|特性別アプローチ

トイレの水が流れる音を子どもが怖がる

便座が冷たくて座りたがらない

トイレの照明がまぶしくて入りたがらない

感覚の過敏さが影響して、トイレが苦手な空間になってしまっている子どもは多くいます。

この記事では、感覚過敏のある子どもがトイレに安心して座れるようになるための具体的な対策を解説します。「どうすればトイレを嫌がらなくなるの?」と悩んでいる方は、ぜひお読みください

目次

感覚過敏の子どもがトイレで困ることって?

小さな子どもが茶色のぬいぐるみをぎゅっと抱きしめ、少し不安そうな表情で寄り添っている様子。やわらかな光の中で、安心を求めるような雰囲気が感じられる

トイレには、感覚過敏の子どもが苦手と感じやすい刺激が複数あります。まずは、どんな刺激が苦手になりやすいのかを紐解いていきましょう。

感覚過敏とは

感覚過敏とは、音や光、触感、においなどの刺激に対して、通常よりも強く反応してしまう特性です

大人にとっては気にならない程度の刺激でも、感覚過敏のある子どもには「痛い」「怖い」「不快」と感じられる場合があります。これは単なるわがままではなく、脳が刺激を処理する方法の違いによるものです。

感覚過敏の子どもがトイレで苦手になりやすい刺激

以下は、感覚過敏の子どもがトイレで苦手と感じやすい主な刺激です。

  • 音:水が流れる音、換気扇の音、ドアの開閉音
  • 温度:便座の冷たさ、床の冷たさ
  • 触感:便座のツルツルした感触
  • 視覚:明るすぎる照明、蛍光灯のチカチカ、狭い空間
  • におい:トイレ特有のにおい、芳香剤のにおい

上記のような刺激が重なると、トイレ自体が「怖い場所」「嫌な場所」になり、入ることすら拒否してしまう場合があります。

感覚過敏の子どものトイレでの刺激にはどう対策する?

感覚過敏の子どものトイレでの刺激には、具体的にどう対策してあげたらいい?

そう感じている方もいらっしゃいますよね。ここからは、それぞれの刺激に対する具体的な対策をご紹介します。

すべてを一度に実践する必要はありません。子どもが特に苦手な刺激から優先的に対応していきましょう。

音への対策は「予測」と「遮断」がカギ!

音を予測できるようにする

たとえば、自動で流れるトイレは、いつ音が鳴るかわからず不安になる子どもも多くいます。突然鳴る音は予測できない分、より怖く感じられるのです。

その場合、以下のように「音が鳴るタイミングを子どもに伝える」と、心の準備ができて恐怖心が和らぎます。

  • 「いまから水を流すよ」と事前に伝えてから流す
  • 子どもが席を立ってから流す
  • 自動洗浄機能をオフにする

耳をふさぐ・音を遮る

どうしても音が苦手な場合は、以下の方法で耳をふさぐのも一つの方法です。

  • 保護者が子どもの耳を手で優しくふさいであげる
  • イヤーマフや防音イヤホンをつける

最初は音を完全に遮断して、慣れてきたら少しずつ音に触れていくなど段階的なアプローチも効果的です。また、トイレの背後や側面にある止水栓を少し締めて、水の流れる速度と圧力を調整すれば、トイレを流す音の大きさを和らげられます。

トイレの側面と給水管の止水栓部分をクローズアップした写真。緑色のタイル壁を背景に、金属製のホースとバルブが取り付けられている様子が写っている

音を紛らわせる

子どもの好きな音楽や声でトイレの音をカバーすると、安心してトイレに入れるようになることもあります。たとえば以下のような方法です。

  • 好きな歌を一緒に歌う
  • お気に入りの音楽や自然音を流す

ただし、音楽やおしゃべりが逆に刺激になってしまう子どももいるため、子どもの反応をよく観察して試してください。

冷たさへの対策は「温める」が基本!

便座を温める

便座を温かくするだけで、座ることへの抵抗がぐっと減る子どももいます。

効果的なのは、以下の方法です。

  • 温水洗浄便座に変える
  • 暖房便座機能を使う
  • 便座カバーをつける
  • 使い捨ての便座シートを使う
トイレくん

大人でも冷たい便座にびっくりする時はあるから、みんなにとって快適なトイレにつながるね♪

足元を温かくする

便座だけではなく床の冷たさも気になる子どもには、以下の方法が効果的です。

  • トイレ用のスリッパを履く
  • トイレマットを敷く
  • 足元に小さな暖房器具を置く

足元が温かいだけでも、トイレ全体の居心地がよくなります。ただし、暖房器具を使用する際は、安全に十分配慮してください。

服を着たまま座る練習をする

ズボンやパンツを下ろしたときの、肌が外気に触れる感覚やいつもと違う状態への不安が苦手な子どももいます。その場合、服を着たまま座ることから始め、段階的に練習するのも一つの方法です。

  • ズボンを履いたまま便座に座ってみる
  • 慣れてきたら、少しずつ薄着にしていく

まずは「座る」という行為に慣れることを優先し、徐々に本来の形に近づけていきます。

触感への対策は「素材選び」で解決!

肌触りのいい便座カバーを使う

便座のツルツルした感触や便器の固い感じが苦手な子どもの場合、肌に直接触れる部分を柔らかい素材に変えると、触感の不快さを軽減できます

  • 布製の便座カバーをつける
  • タオルを便座に巻く

触感の好みは、個人差が大きいものです。ふわふわが好きな子もいれば、ツルツルの方が落ち着く子もいます。いろいろ試しながら、その子に合った素材を見つけてあげてください。

補助便座を工夫する

市販の補助便座を使用する場合は、クッション性のある柔らかい素材を選ぶのもおすすめです。

ライターMIzuki

自閉スペクトラム症のある筆者の娘は、硬いプラスチックの補助便座を嫌がっていましたが、クッション性のあるものに変えたところすんなり座ってくれるようになりました

なお、補助便座は、実際に触らせてから購入を決めるのが理想的です。店頭で子どもと一緒に確認したり、返品可能なオンラインショップを利用したりするのもよいでしょう。

おすすめの補助便座はこちらの記事で紹介しています

視覚への対策は「照明と空間」を調整!

明るすぎないあたたかい照明に調節された、木目調のトイレ空間

照明を調整する

トイレの照明が眩しかったり蛍光灯のチカチカが気になったりする子どもには、以下の方法で明るさを調整するのが大切です。

  • 調光できる照明に変える
  • 間接照明を使う
  • 暖色系の電球に変える
  • 蛍光灯をLEDに変える
ライターMIzuki

白い蛍光灯の明るさが苦手だった娘のために、電球色のLED照明に変えたところ「いまのトイレ、なんか好き」と言ってスムーズに入れるようになりました

空間の圧迫感を減らす

狭い空間が苦手な場合は、以下のようにできるだけ開放感を持たせる工夫をしましょう。

  • ドアを少し開けておく
  • 窓があれば開けて外の空気を入れる
  • 壁に明るい色のポスターを貼る

「閉じ込められている」と感じないような空間づくりを心がけると、感覚過敏の子どもも安心してトイレに入りやすくなります。

においへの対策は「換気」と「無香」がポイント!

換気を十分にする

においは目に見えないからこそ、対策がつい後回しになってしまいます。

しかし、感覚過敏の子どもにとって、トイレ特有のにおいや芳香剤の強いにおいは大きなストレスです。におい対策の基本は、以下の方法でしっかり換気をすることといえます。

  • こまめに窓を開ける
  • 換気扇を回す
  • トイレを使った後は必ず空気を入れ替える

また、こまめに掃除をして、においの元を減らすのも大切です。

芳香剤は慎重に

「いい香り」と感じる芳香剤でも、感覚過敏の子どもには刺激が強すぎる場合があります。子どもの反応を見ながら、本当に必要かどうかを判断しましょう。以下の対策を試すのもおすすめです。

  • 無香料の消臭剤を使う
  • 芳香剤を置かない
  • 消臭効果がある炭や重曹を置く

場合によっては、子どものお気に入りの香りを置くのも方法の一つです。

ただし、感覚過敏の子どもは、複数の香りを試すこと自体が刺激過多になりやすい傾向があります。「自然由来の香りなら心地いい」など特定のものを受け入れられる場合もあるため、子どもによっては保護者と一緒に選ぶのもよいでしょう。

感覚過敏によるトイレでの刺激には子どもに合った工夫を

感覚過敏の子どもにとって、トイレはたくさんの刺激が詰まった場所です。しかし、苦手な刺激を一つずつ取り除いていくと、安心してトイレに座れる環境を作れます。

すべてを一度に対策する必要はありません。子どもが特に苦手な刺激から、優先的に対応していきましょう。「これなら大丈夫そう」「これはまだ難しい」と、一つずつ確認しながら進めていくのが大切です。

無理に慣れさせようとするのではなく、環境を調整して、子どもが自分のペースでトイレに慣れていけるようにサポートしていきましょう。

いろいろ試してもなかなか改善が見られない…

どの刺激が苦手なのかわからない…

そのような場合は、一人で抱え込まず、専門家への相談も検討してみてください。

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この記事を書いた人

臨床心理・発達支援に携わるカウンセラー。日々お伺いするありのままの声をはじめ、自閉スペクトラム症の娘とのトイトレ経験をふまえて執筆しています。

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