自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れない?4つのサポートと園や学校との連携も

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れない?4つのサポートと園や学校との連携も

もう5歳なのにまだオムツが取れない

小学校入学までに間に合うのか不安

自閉スペクトラム症の子どもを育てるなかで、そのような悩みを抱えていませんか。トイトレを試しても失敗が続いたり、周囲から「まだオムツなの?」と言われたりするとつい焦ってしまいますよね。

この記事では、自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れる時期や理由園や学校での対応、そして具体的な支援方法について解説します。「このままで大丈夫?」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。

目次

自閉スペクトラム症の子どもは何歳でオムツが取れる?

黒いテーブルの上に白いオムツが扇のように並べられ、手が1枚を持ち上げている様子

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れる時期には、大きな個人差があります。焦る気持ちもあるかもしれませんが、まずは正しい知識を持つのが大切です。

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れる時期には個人差がある

自閉スペクトラム症の子どもの場合、オムツが取れる時期は一人ひとり大きく異なります。4〜6歳頃に取れる子もいれば、小学校入学後や中学年以降に取れる子もいて、その時期はさまざまです。

しかし「何歳までに取るべき」という決まりはありません。周りと比べて焦る気持ちを持つのは自然ですが、発達や特性に合わせて、その子のペースで進めていくのが何より重要になります。

▼自閉スペクトラム症の子どものオムツ外れる時期についてはこちらの記事をご覧ください

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自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れないのは親のせいではない

「育て方が悪いからオムツが取れないのでは…」と自分を責めてしまっている方もいるのではないでしょうか。

しかし、自閉症スペクトラム症の子どものオムツが取れにくいのは「脳の特性による感覚の違いやコミュニケーションの難しさ」が関係しているためです。親の接し方や努力不足が原因ではありません

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れないのはなぜ?

『脳の特性による感覚の違いやコミュニケーションの難しさ』って、例えばどんなこと?

そう疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。自閉スペクトラム症の子どもは、以下の特性からトイレでの排泄が難しい場合があります

感覚の過敏さや鈍感さがあるため

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れないのは、感覚の特性が影響しているかもしれません。例えば、トイレの水の音や換気扇の音が怖く感じられたり、便座の冷たさや硬さが苦手だったりなどです。

大人からすると「ただトイレに座るだけ」に思えることでも、自閉スペクトラム症の子どもにとっては非常に高いハードルです。

また、便意や尿意を感じにくかったり、感じてから我慢できなかったりする場合もあります。

コミュニケーションの難しさがあるため

感覚を言葉で伝えるのが難しかったり、物事のタイミングを理解するのに時間がかかったりするのも、自閉スペクトラム症の特性の一つです。そのため「トイレに行きたい」という意思がうまく伝えられなかったり、保護者からの「トイレに行こうね」という声かけの意図が理解しづらかったりする場合があります。

さらに、トイレで排泄する意味や必要性を言葉で説明しても、抽象的な概念として理解するのが難しいケースも少なくありません。「おしっこが出そうになったら教えてね」と言われても「出そう」という感覚と「教える」という行動を結びつけるのが難しいのです。

変化や新しいことへの抵抗があるため

自閉スペクトラム症の子どもは、いつもと違うことや環境の変化に不安を感じやすい特性があります。

自閉スペクトラム症の子どもにとってトイトレは、オムツという慣れた状態から変わることへの抵抗、トイレという新しい場所での排泄への不安、いままでのやり方を変えることへのストレスなどが重なります。

特に、オムツでの排泄は子どもにとって何年も続けてきた習慣です。その習慣を変えるのは、大人が想像する以上に大きな挑戦といえます。

オムツが取れない場合は園や学校でどうしたらいい?

保育園で数人の子どもたちが机を囲み、先生が優しく声をかけながら活動している様子

<もしオムツが取れなかったら、集団生活での過ごし方が心配…

そんな不安を感じる保護者の方は多くいらっしゃいます。ここでは、自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れない場合の園や学校での対応について見ていきます。

重要なのは、保護者と先生が子どもの様子や支援方法について話し合い、連携しながら進めていくことです。

幼稚園・保育園での対応

オムツ替えのスペースが設けられていたり、定期的なトイレの声かけをしてくれたりなど、個別の対応を相談できる場合がほとんどです。

まずは、園の先生に現状を正直に伝えてみてください。子どもの特性や家庭での取り組みを共有すると、園でも同じアプローチを試してもらえたり、反対に園側から新しいアドバイスをもらえたりするかもしれません。

もしも園で十分なサポートが難しいと感じた場合は、療育施設や発達支援センターの相談員に相談して園との橋渡しをお願いしたり、専門家からの助言を園と共有したりする方法を検討してみてください。

小学校での対応

「オムツが取れていないと小学校に入れないのでは」と心配される方もいますが、実際にはそのようなことはありません。特別支援学級では個別の対応が可能ですし、通常学級でも必要に応じて支援が受けられます。

小学校入学前には就学相談や学校見学の機会があるため、その際に子どもの状況を伝え、どのような支援が受けられるかを確認しておくと安心です。必要に応じて、養護教諭や支援員がサポートをしてくれる場合があります。

トイトレ博士

とにかく大切なのは、園でも学校でも「先生と情報を共有して支援方法を細かく話し合っておくこと」じゃ

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れないときの支援方法4つ

保育者が優しい表情で子どもを見守り、子どもが作業に集中している様子

自閉スペクトラム症の子どものトイトレには、一般的な方法とは別のアプローチが有効な場合があります。ここでは、4つの支援方法をご紹介します

子どものペースや自主性を尊重する

トイトレで最も大切なのは、子ども自身の準備が整っているかどうかです。以下のサインが見られるようになったら、少しずつ始めていくとよいでしょう。

  • 便座に座れる
  • トイレに入ることを極度に嫌がらない
  • 一定時間オムツが濡れない時間帯がある

▼トイトレを始める時期についてはこちらの記事で詳しく解説しています

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視覚的な支援を活用する

おしっこがたまる→トイレに行く→おしっこをする、という流れを子ども向けイラストで表した3枚セットの図

言葉だけでは理解しづらいことも、目で見てわかるようにすると伝わりやすくなります。トイレの流れを絵カード写真で示したり、タイマースケジュール表で「次はトイレの時間」を視覚化したりするのが効果的です。

▼トイレトレーニングに絵カードを使うメリットや効果的な使い方についてはこちらの記事で詳しく解説しています

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また、排泄のタイミングを予測できる機器を活用するのも一つの方法です。排泄予測支援機器「DFree」は、超音波センサーを使用して膀胱内の尿のたまり具合をリアルタイムで計測し、10段階の数値で教えてくれます

言葉で尿意を伝えるのが難しい子どもでも、客観的なデータをもとにトイレに誘えるため、成功体験を積み重ねやすくなるでしょう。

▼DFreeの使い方やメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています

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環境を整える

子どもにとって、トイレを居心地のよい空間にするのも大切です。好きなキャラクターのポスターを貼ったり補助便座で安定感を出したり、音が気になる場合は音楽をかけたりするのも効果的でしょう。

▼トイトレにおすすめのグッズはこちらの記事で紹介しています

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自信をなくさない・なくさせない

「失敗したら叱る」ではなく「成功したら褒める」のイメージを持ってみてください。例えば、着替えや手洗いなどトイレ以外の生活スキルも一緒に覚えてもらうと「できることが増えている」という子どもの自信を育めます

そして、保護者の方自身も自分を責める必要はありません

▼発達障害の子どものトイトレ成功のコツについては、こちらの記事をご覧ください

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自閉スペクトラム症の子どものオムツ外しは焦らず子どものペースで

自閉スペクトラム症の子どものオムツが取れにくいのは育て方の問題ではなく、感覚の特性コミュニケーションの難しさ変化への抵抗など、さまざまな理由があります

トイトレを進める際は、子どものペースを尊重し、視覚的な支援や環境調整を取り入れながら、焦らず取り組んでいくのが大切です。

何より、保護者の方が一人で悩みを抱え込まないこと。専門家や支援者、同じ経験をした保護者とつながりながら、子どもの成長を見守っていきましょう。

【参考】
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル

https://www.psychiatry.org/psychiatrists/practice/dsm/updates-to-dsm

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▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

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この記事を書いた人

臨床心理・発達支援に携わるカウンセラー。日々お伺いするありのままの声をはじめ、自閉スペクトラム症の娘とのトイトレ経験をふまえて執筆しています。

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