照明が怖い子どものトイトレ|感覚過敏に配慮した照明調整の具体的な工夫

照明が怖い子どものトイトレ 感覚過敏に配慮した照明調整の具体的な工夫

トイレに行こうとすると、ドアの前で立ち止まってしまう

トイレの中に入るのを極端に嫌がる

このように、感覚過敏のある子どものトイレの拒否に悩んでいる保護者の方もいらっしゃるでしょう。もしかしたら、その原因は「照明」にあるかもしれません。

この記事では、照明に敏感な子どもが安心してトイレに入れるようになるための、具体的な照明調整の方法を解説します。「うちの子、トイレの照明を怖がっているかもしれない」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。

目次

感覚過敏の子どもが照明を怖がるのはなぜ?

室内で、母親に抱きしめられながら小さな女の子が涙を流して泣いている様子。安心を求めて抱きついているように見える

感覚過敏とは、光・音・触覚・匂いなどの刺激に対して、通常よりも強く反応してしまう特性です。主に自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)など、発達障害のある場合に多く見られる症状といわれていますが、定型発達の子どもでも個人差として現れるケースがあります。

子どもがトイレの照明を怖がるのは、以下のような理由が考えられます。

  • 蛍光灯のちらつきを感じ取ってしまい、不快感や不安を覚える
  • まぶしさを強く感じてしまい、目を開けているのがつらい
  • 廊下からトイレに入ったときの明るさの変化が刺激になる
  • 白っぽい光(昼光色)や青白い光の刺激が強く感じられる

上記のような刺激が積み重なると「トイレ=怖い場所」というイメージが定着してしまい、トイトレがスムーズに進まなくなってしまいます。

トイレくん

大人にとっては何でもない明るさでも、感覚が敏感な子どもにとっては刺激になるんだね。

トイトレ博士

子どもが照明を怖がる理由を知っておくことで、適切なサポートにつながるんじゃよ

【基本編】いますぐできる照明調整の工夫

トイレの照明が怖いのかも…?

そう思ったときは、まずは、手軽にできる工夫から始めてみるのがよいでしょう。わざわざ高価な器具を買わなくても、今日から試せる照明調整を紹介します。

照明を消してみる

コンパクトでシンプルなトイレ空間。白い洋式トイレが中央にあり、横の棚にトイレットペーパーが設置されている

最もシンプルな方法は、トイレの照明を消すことです。

  • 廊下の明かりだけで十分な明るさが確保できる場合は、トイレの照明をオフにしてみる
  • 窓から自然光が入る時間帯であれば、昼間は照明なしで過ごしてみる

真っ暗だと不安になる子どももいるものの「まぶしさ」が苦手な子どもにとっては、少し暗めの空間のほうが落ち着く場合もあります。子どもの反応を見ながら試してみてください。

電球を取り外す・ワット数を下げる

照明器具によっては、電球の数を減らしたり、ワット数の低いものに交換するだけで明るさを調整できます

  • 複数の電球がついている場合は、1つだけ残して他を外す
  • 60Wの電球を40Wや20Wに変更する

これだけでも、子どもにとって過ごしやすい明るさになる場合があります。

調光機能を使う

もしトイレの照明に調光スイッチがついていれば、子どもが過ごしやすい明るさに調整してみてください。最初は暗めに設定して、徐々に明るさを上げていく方法も有効です。

「この明るさなら大丈夫」という感覚を子ども自身が掴めると、トイレへの抵抗感が減っていきます。

【応用編】照明環境を見直してみよう

基本的な工夫を試してもまだ嫌がる場合は、照明器具そのものを見直してみるのもおすすめです。

電球の種類を見直す

LED電球に変える

蛍光灯のちらつきが苦手な子どもには、LED電球への交換が効果的です。LEDは、ちらつきが少なく光が安定しているため、感覚過敏のある子どもでも受け入れやすい傾向があります。

また、LED電球は調光・調色機能がついているものも多く、明るさや色味を細かく調整できる点もメリットです。

電球の色を変える

暗めの背景の中で、手に持たれた電球がオレンジ色に明るく光っている様子。ひらめきやアイデアを象徴するイメージ

光の色味を変えるだけで、子どもの反応が大きく変わる場合も。電球の色によって、以下のようにそれぞれ特徴が異なります。

電球の色特徴感覚過敏の子どもへの影響
電球色(オレンジ系)温かみがあり、リラックスできる雰囲気刺激が少なく、落ち着きやすい
昼光色(白っぽい光)明るくはっきりした光刺激が強く感じられる子どももいる
昼白色(自然な白)電球色と昼光色の中間バランスの取れた明るさ

家電量販店や通販サイトでは、さまざまな色味のLED電球が購入できます。

トイトレ博士

子どもの反応を見ながら、いくつか試してみるとよさそうじゃな

照明の種類や位置を工夫する

間接照明を活用する

直接目に光が入らない「間接照明」を使うのも一つの方法です。

  • 小さなフットライトを床に置く
  • 壁に向けて光を当てる照明を使う

光が直接目に入らないだけでも刺激がぐっと減り、落ち着いて過ごせるようになる場合があります。

センサーライトを使用する

スイッチを押す動作が苦手な子どもや、暗い中でスイッチを探すのが怖い子どもには、人感センサーライトが便利です。トイレに入ると自動で点灯するため、子ども自身の負担が軽減します。

ただし、センサーが反応する瞬間の光の変化が苦手な場合もあるため、まずは昼間に試してみてください。明るい時間帯なら、センサーの反応による光の変化が穏やかになり、子どもが驚きにくくなります。子どもの様子を確認しながら、夜間の使用に移行していくとよいでしょう。

照明の位置を工夫する

トイレの床に小さな間接照明が置かれ、やわらかい光で空間が照らされている様子。落ち着いた雰囲気の中で、手すりやトイレットペーパーも見える

可能なら、照明の位置を変えてみるのも効果的な方法です

  • 天井の照明が眩しい場合は、壁付けの照明に変更する
  • スタンドライトを床や棚に置いて、低い位置から照らす

光が目線の高さより下にあるだけで、刺激が減る場合があります。

ライターMIzuki

自閉スペクトラム症の娘と暮らす我が家では、写真のようにスタンドライトを床に置いて使っています。天井の照明より柔らかい光で、娘も「これなら大丈夫」と話していました。高さを変えるだけでこんなに違うのかと驚いたものです

照明の刺激を和らげる「ひと工夫」

照明を買い替えなくても、カバーや専用のシールをつけることで、光をやわらかくできます

  • 市販のランプシェードやカバーを活用する
  • 減光シールを貼る

素材によって光の色味や明るさが変わるため、いくつか試してみるとよいでしょう。100円ショップやホームセンターでも手に入りやすいアイテムなので、気軽に試せるのも魅力です。

大切なのは「子どもの反応を見ながら調整する」こと

照明調整を行う際は、子どもの様子をよく観察しながら進めていくのが何より重要です。

いきなり大きく環境を変えると、逆に混乱してしまう場合があります。まずは一つの工夫から始めて、子どもが慣れてきたら次の調整を試すとよいでしょう。

どの照明でどんな反応があったかをメモしておくと、子どもにとって心地よい環境が見えてきます。

電球色に変えたら、トイレに入れた!

照明を消したら、落ち着いて座れた!

こうした小さな成功体験の積み重ねが、トイレへの安心感を育てます。

大切なのは、目の前の子どもにとって過ごしやすい環境を一緒に探していくこと。うまくいかなくても「次はこうしてみよう」と柔軟に対応していけば問題ありません。

トイトレ博士

完璧を目指さなくても、子どもの「できた」を一つひとつ積み重ねていくことが、トイトレ成功への近道になるんじゃ

照明を調整してトイレを安心できる場所に

照明の刺激は、大人が思っている以上に子どもにとって負担になっている場合があります。まぶしさやちらつきが原因で「トイレが怖い」と感じているケースでは、照明を見直すだけでトイレへの抵抗感が減り、トイトレがスムーズに進みやすいのです。

まずは照明を消してみる、電球を変えてみるなど手軽な工夫から始めてみてください。子どもの反応を見ながら少しずつ調整していくと、その子にとって心地よいトイレ空間が見つかるはずです。

トイトレは焦らず、子どものペースで進めるのが一番の近道です。照明調整を通じて、トイレが「安心できる場所」になるよう、できることから試してみてくださいね。

いろいろ試しているけれど、なかなかうまくいかない

うちの子に合った照明がわからない

そのような場合は、一人で抱え込まず、専門家への相談も検討してみてください。

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