
ADHDの子どもがトイレに行くのを嫌がって困っている



何度声をかけても、ギリギリまで我慢してしまう
ADHDの子どもと暮らすなかで、このような悩みを抱えていませんか?「めんどくさい」と言ってトイレを後回しにした結果、失敗してしまうこともありますよね。
この記事では、ADHDの特性がトイレ行動にどう影響するのか、そして家庭で実践できる具体的な対処法を解説します。
「どうして何度言ってもトイレに行ってくれないの?」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。
ADHDの「トイレめんどくさい」は保護者のせいではない


ADHDの子どもがトイレを嫌がるのは、単なる「わがまま」や「しつけの問題」ではありません。脳の特性が“トイレに行く”という日常的な行動に影響を与えているためです。
ADHDの子育ては一般的な育児書通りにいかないことの方が多く、周囲からの理解も得にくいこともあるかもしれません。しかし、「私の育て方が悪いのかな」と自分を責める必要はないのです。
まずは子どもの特性を理解することで、見方が変わり、適切なサポートができるようになります。



子どもがトイレに行かないと、つい声を荒げてしまったりイライラしてしまったりするのも自然なことじゃ。そんな中でも、少しずつ工夫を重ねていく過程そのものが大切な一歩なんじゃよ。
ADHDの子どもが「トイレめんどくさい」と感じるのはなぜ?
前述したとおり、ADHDの子どもが「トイレをめんどくさい」と感じるのには、脳の特性が深く関わっています。ここでは、その主な理由を3つご紹介します。
1.目の前のことに集中しすぎて切り替えられない


ADHDの特性の一つに「過集中」があります。好きなことや興味のあることに取り組んでいるとき、子どもは完全にその世界に入り込んでしまうのです。
このとき、尿意を感じていても「いまは気持ちを切り替えられない」「この区切りがつくまで待って」という気持ちが強く働きます。周囲から見ると「まだ遊んでいる」ように見えても、本人にとっては「いまやめるのは不可能」と感じるほど集中している状態です。
そのため「いま集中していることを中断してトイレに行くこと」が、想像以上に大きなハードルになってしまいます。これは意図的なものではなく、脳の特性によるものなのです。
2.複数の動作を組み立てるのが苦手
トイレに行くことは何気ない日常の行動ですが、実は以下のような動作の組み合わせで成り立っています。
- いまやっていることをやめる
- トイレまで移動する
- 服を脱ぐ
- 排泄をする
- トイレを流す
- 服を着る
- 手を洗う
ADHDの子どもは、このような一連の流れを頭の中で組み立てて実行するのが苦手な傾向があります。一つひとつの動作は簡単でも、それを順序立てて実行することに大きなエネルギーを使うのです。
そのため「トイレに行く」という言葉を聞いただけで、無意識に「めんどくさい」と感じてしまいます。
3.尿意への気づきが遅れる
ADHDには、身体の感覚への気づきが遅れる特性があります。そのため「ちょっとトイレに行きたい」という初期の尿意に気づかず「もう限界!」という状態になってから気づくケースも多いものです。
たとえば、保護者が「そろそろトイレ行っておいたら? 」と声をかけても、本人は「まだ大丈夫」と感じている場合があります。実際には膀胱に尿が溜まっていても、脳がそれを正確に認識できていないため、このようなズレが生じてしまうのです。
トイレをめんどくさいと感じるADHDの子どもへの7つの対処法
ここからは、家庭で実践できる具体的な対処法をご紹介します。すべてを一度に試す必要はありません。子どもの様子を見ながら、取り入れやすいものから試してみてください。
1.タイマーを使って定期的にトイレタイムを作る


尿意に気づくのが苦手な子どもには、時間で区切ってトイレに行く習慣をつけるのが効果的です。
スマートフォンのタイマーやキッチンタイマーを使って、1時間半から2時間おきにアラームを設定します。アラームが鳴ったら「トイレの時間だよ」と声をかけてみてください。
このとき大切なのは「行きたくなくても、とりあえずトイレに座ってみる」というルールにすることです。たとえおしっこが出なくても構いません。



「時間が来たらトイレ」というパターンを繰り返すと、習慣として定着しやすいんじゃな
2.「あと5分で区切りをつけよう」と予告する
集中している子どもに突然「いますぐトイレに行きなさい」と言っても、切り替えられないのは自然なことです。
まずは「あと5分でトイレの時間だよ」と予告してあげてください。これにより、子どもは心の準備をする時間を持てます。5分後にもう一度「約束の時間だよ。トイレに行こうか」と声をかけます。
視覚的にわかりやすいタイマーを一緒に見ながら「この針がここまで来たらトイレね」と伝えるのも効果的です。



突然の中断ではなく「予告」があると、子どもの抵抗感は減っていくんじゃ
3.「めんどくさい」気持ちを否定しない
子どもが「トイレめんどくさい」と言った際、どうしても「そんなこと言わないの」と叱ってしまいますよね。しかし、まずはその気持ちを受け止めてあげる姿勢が大切です。
「そうだよね、めんどくさいよね。でも、お腹が痛くなったら困るから、一緒に行ってみようか」というように、気持ちを認めたうえで、次の行動につなげていく声かけを試してみてください。
気持ちを否定されると、子どもは「わかってもらえない」と感じて、さらに動きたくなくなってしまいます。



子どもの心を軽くするには「共感」がポイントじゃ
4.トイレまでの動線を短くする


物理的にトイレまでの距離が遠かったり、途中におもちゃが散らばっていたりすると、それだけで「めんどくさい」という気持ちが強くなります。
そのため、子どもが過ごす場所から近いトイレを使うようにしてみてください。また、トイレまでの動線におもちゃなど気が散るものを置かないのも大切です。
スムーズにトイレに行ける環境を整えることで「めんどくさい」という感覚を減らせます。



ちょっとした環境の工夫が大きな変化につながるんじゃな
5.トイレに行けたことを具体的にほめる
ADHDの子どもは、自分から行動を起こすことが難しい一方で、ほめられると大きなやる気を得られます。
トイレに行けたときは「自分でトイレに行けたね!」「声をかけたらすぐに動けたね!」と、具体的な行動をほめてあげてください。
ポイントは、毎回同じトーンで落ち着いて認めてあげることです。大げさに「すごい!えらい!」と何度も繰り返すと、子どもが「トイレに行くのは特別なこと」と感じてしまい、プレッシャーになる場合があります。穏やかに、でも確実に「できたね」と伝えると、トイレが日常的な習慣として定着していきます。



小さな成功を見逃さず言葉にして伝えると、次の行動への意欲につながるんじゃ
6.ごほうびシールやポイント制を取り入れる
視覚的にわかりやすいごほうびシステムは、ADHDの子どもにとても効果的です。
トイレに行けたらシールを貼る、ポイントをためると好きなおやつと交換できるなど、目に見える形でがんばりを評価してあげてください。ただし、失敗したときにシールを剥がしたり、ポイントを減らしたりするのは避けるとよいでしょう。



できたことだけを積み上げていく方式で、子どものやる気をキープじゃ!
7.一緒にトイレに行く時間を作る
特に小さい子どもの場合、一人でトイレに行く不安感が「めんどくさい」という気持ちを強めることがあります。
その場合は「一緒にトイレに行こうか」と声をかけて、トイレまで付き添ってあげると効果的です。トイレの前で待っているだけでも、子どもは安心して行動できます。
また、保護者がトイレに行くタイミングで「一緒に行く?」と誘うのも有効です。誰かと一緒に行動すると、ハードルが下がります。



一人で行けるようになるまでは、寄り添う時間を大切にしてあげるといいんじゃな
ADHDの「トイレめんどくさい」を理解して、無理なく続けられる工夫を
ADHDの子どもが「トイレめんどくさい」と感じるのは、脳の特性が関係しています。
この記事で挙げた対処法を、すべてを完璧にこなす必要はありません。子どもの様子を見ながら、できそうなことから一つずつ試してみてください。
そして何より大切なのは、保護者の方自身が無理をしないことです。できたことに目を向けて、小さな成功を親子で積み重ねていってください。
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