【専門家監修】排泄しやすい姿勢のコツ!正しい足のつけ方と前傾姿勢の作り方

専門家監修 排泄しやすい姿勢のコツ!正しい足のつけ方と前傾姿勢の作り方
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「トイレに座らせても、なかなか出ない。」「うまく力が入らない。」そのお悩み、もしかすると排泄の際の“姿勢”が関係しているかもしれません。

実は排泄のしやすさは、腸や膀胱の問題だけでなく、姿勢も大きく影響します。特に、肢体不自由児の場合は体幹の不安定さから、より姿勢の影響を受けやすい場合があります。

この記事では、排泄支援の専門家のアドバイスも交えながら、排泄しやすい姿勢の基本をわかりやすく解説します。

トイトレ博士

排泄しやすい姿勢の作り方や足のつけ方のポイント、体幹の不安定な子どもの姿勢づくりを助けるアイテムなどをわかりやすくまとめたぞぃ

▼トイトレのステップ③「トイレで出す」ためのヒントはこちらで詳しく解説しています

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障がい児排泄支援の専門家 髙橋賢太郎先生

肢体不自由時の排泄支援の専門家・髙橋賢太郎先生

理学療法士、公認心理師。横浜市の療育センターで15年、発達障害・肢体不自由児の療育に従事。現在は鎌倉市内の学校・医療機関・通所施設でADL・排泄支援やカウンセリングを提供。

排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」制作に携わり、キッズデザイン賞を受賞。

発達障害や肢体不自由児の療育に携わった25年の経験を元に、理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

目次

排泄しやすい姿勢とは

子どもが補助便座に座っている様子。トイレトレーニングの場面で、手でしっかりと支えながら安定して座っている。

排泄しやすい姿勢とは、骨盤が前傾し、股関節が深く曲がっている前傾姿勢(前かがみの姿勢)です。

この姿勢になると、以下のような排泄をしやすい条件が整います。

  1. 直腸と肛門の角度が一直線に近い
  2. お腹に力を入れやすい
  3. 肛門や尿道の筋肉をゆるめやすい
  1. 直腸と肛門の角度が一直線に近い

直腸と肛門のあいだには「直腸肛門角」と呼ばれるカーブがあります。体を起こして座るとこの角度は鋭くなり、便の通り道が折れ曲がった状態になります。

一方、前傾姿勢になるとこの角度がゆるんで便の通り道がなだらかになります。その結果、便がスムーズに移動しやすくなるのです。

  1. お腹に力を入れやすい

排便や排尿には、お腹に適度な力を入れること(腹圧)が必要です。

前傾姿勢は、腹筋に力を入れやすい姿勢です。そのため、無理に強くいきまなくても腹圧をかけやすくなります。反対に、後ろに反り返る後傾姿勢だと、骨盤は後ろに倒れて腹筋が働きにくく、腹圧をかけにくくなります。

  1. 肛門や尿道の筋肉がゆるみやすい

排泄のためには「押し出す力」だけでなく「ゆるめる力」も必要です。排泄の際には、肛門や尿道の出口にある括約筋(かつやくきん)がゆるむことで、便や尿を身体の外へ出すことができます。

股関節をしっかり曲げ、骨盤がやや前に傾いた姿勢では、骨盤周囲の筋肉を含む排泄に関わる筋肉の緊張がやわらぎやすくなるため、肛門や尿道の筋肉もゆるめやすくなるのです。

排泄しやすい姿勢はなぜ大切?

笑顔の大人と子どもが向かい合い、手を上げて楽しそうにやりとりしている様子。明るく安心感のあるコミュニケーションの場面。

排泄の姿勢を整えることは、スムーズな排泄の土台となります。

排泄がしやすくなることで、

  • 成功体験が積みやすい
  • 排泄の時間の短縮が期待でき、介護者の負担も軽減する
  • 便秘や痔・残尿などのトラブルを防ぐ

このようなメリットがあります。

トイレくん

体幹の不安定さや緊張の入りやすさがある子どもの場合、姿勢のわずかな違いが排泄のしやすさに大きく影響することもあるんだね

髙橋先生

すべての子どもたちは発達の途中であり、大人と比べ筋力もバランス力も十分ではありません。だからこそ、少ない力で頑張らずに排泄できる姿勢が必要となります。

前傾姿勢の作り方

姿勢の大切さがわかったところで、ここからは「前傾姿勢」を作るための具体的なポイントを解説していきます。

前傾姿勢を作る3つのポイント

子どもが足台に足を乗せて前かがみの姿勢でトイレに座っているイラスト。膝が約90度に曲がり、排泄しやすい姿勢のポイントが矢印で示されている。

✅股関節を深く曲げる

まず意識したいのは、股関節の角度です。股関節がしっかり曲がることで、骨盤は自然に前に傾きやすくなります。

これは前傾姿勢をつくるための土台として特に重要です。

トイトレ博士

「太ももとお腹が近づく姿勢」「膝はお腹に近づけるイメージで90度以上曲げる」を意識するといいんじゃ

✅骨盤が後ろに倒れないようにする

肢体不自由児の場合、体幹の不安定さから後ろに反り返ったような姿勢になってしまうことがあります。

特に、以下の姿勢は骨盤が後ろに倒れやすいので注意しましょう。

  • 背もたれにもたれる
  • 補助便座などのハンドル(持ち手)を引っ張る
トイトレ博士

この後紹介する、姿勢づくりのサポートアイテムを使うのもおすすめじゃよ

✅膝を抱えるようにして前かがみになる

おへそを見るように背中を少し丸める姿勢を取ります。この姿勢になることで、直腸と肛門の角度(直腸肛門角)がまっすぐになり、便が通りやすい形状になります。

また、骨盤周囲の筋肉がゆるみやすくなり、排泄しやすい状態が整います。

姿勢づくりをサポートするアイテム

でも、どうやって前傾姿勢をとればいいの?

指示が通らないから言って聞かせるのは難しい…

姿勢を整えることが大切だということがわかっても、実際に障がいのある我が子の身体を支えながら前傾姿勢を保つのは大変。姿勢づくりをサポートしてくれるアイテムを活用するのもおすすめです。

クッションやタオル

大きめのクッションや枕、丸めたバスタオルなどをお腹と太ももの間に抱きかかえるようにします。これに寄りかかることで、自然に身体が丸まり、安定した前傾姿勢を保持しやすくなります。

トイトレ博士

少し強度のあるもので試したい場合は、牛乳パックで介助用のテーブルを自作するのも手じゃよ

💡牛乳パックでできる“トイレ介助用テーブル”のつくり方

トイレに設置された木製風のサポートフレーム。便座の周囲を囲うように台が組まれており、子どもが安定した姿勢で排泄できるよう工夫されている。床にはマットが敷かれ、安全性にも配慮されている。
牛乳パックでできる“トイレ介助用テーブル”のイメージ
  1. 空の牛乳パックを用意する(約50本)
  2. 1. の中に、新聞紙を詰めて頑丈にする
  3. 2. をたくさんか作ってガムテープで周囲を囲むように連結すれば、介助用テーブルが完成!
  4. 排泄時、完成した介助用テーブルをトイレに座った子どもの前の上に置いてもたれかかるようにすることで、前傾姿勢ができる
    ※過度に体重をかけることはしないでください。必ず見守りの上で利用してください。
トイレくん

「牛乳パック 机」などで検索すると、大体の作り方が出てくるよ!サイズを調整すればトイレでも使えるね

▼トイレの姿勢を整える座位保持椅子やテーブルなどの福祉用具はこちらの記事でも紹介しています

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補助便座

補助便座を使用して、骨盤の安定性を高めるのも前傾姿勢をつくるために有効です。ただし、前にハンドル(持ち手)があるタイプは、ハンドルを掴んで後ろにのけぞる「後傾姿勢」を招きやすいので注意が必要です。

トイトレ博士

掴むところがあるほうがよいように思えるんじゃが、排泄のしやすさという視点では、実はハンドルのないタイプのほうが適しているんじゃよ。

▼おすすめの補助便座はこちらの記事で紹介しています

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踏み台

踏み台を使って足の裏をしっかりつけることで、安定した姿勢になります。

特に肢体不自由児や脳性麻痺の子どもの場合は、姿勢の不安定さが全身の緊張につながることがあるので、しっかりと足をつけることが、排泄姿勢を整えるうえでとても大切です。

髙橋先生

ただし、踏み台があることで逆に力が入ってしまい足を突っ張ってしまうお子さんもいます。その場合、無理に使用しない方が安定することも。重要なのは“お子さんの状態に合わせた安心・安全な姿勢を見つけて整えてあげる”ことです。

▼おすすめの踏み台はこちらの記事で紹介しています

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体幹の安定は土台から!正しい足のつけ方

ここまで解説したように、足の裏をしっかりつけることは体幹の安定にも必要不可欠です。加えて、肢体不自由児の場合は、姿勢を整える順番にも注目してみましょう。

STEP
体幹(お腹周り)を最優先で安定させる

足を踏み台に乗せる前に、まずはクッションなどを使って体幹(中枢)を安定させます。

髙橋先生

体幹が不安定なまま足台に足を乗せると、お子さんが台を蹴って、背中側の緊張を強めて後ろに反り返るような姿勢になってしまうことがあるためです。

STEP
足の裏を踏み台にしっかり接する

体幹が安定して身体の力が抜けたら、足の裏がしっかり接するように踏み台を入れます。

STEP
最後に股関節をしっかり曲げる

股関節を曲げることで、骨盤が前に傾き、前傾姿勢につながります。

排泄時の姿勢チェックリスト

結構やることが多くて大変そう…

そんな方のために、いざトイレに座った時にすぐチェックできる『姿勢チェックリスト』を作りました。トイレの介助をするときに、意識してみてください。

✅足がぶらぶらしていないか

✅背もたれに寄りかかっていないか

✅浅めに座って前傾姿勢になれているか

✅緊張が抜けて安定して座れているか

トイレくん

1つ1つ解説すると難しく感じてしまうかもしれないけど、チェックポイントにすると4つだけでいいんだね!すぐに全部はできなくても、子どもと一緒に少しずつ挑戦していこう

姿勢を整えることはスムーズな排泄につながる

姿勢を整えることで、子どもの「出しやすさ」は変わります。

スムーズな排泄は成功体験を増やすだけでなく、介助者の負担の軽減や便秘などのトラブル予防にもつながる大切な要素。小さな工夫で大きな変化が生まれる可能性があります。

この記事を参考に、できることから取り入れてみてくださいね。

【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】

「尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。

今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。

【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生

横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること

  • 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
  • 今日からできる排せつ支援の工夫
  • トイトレを始めるタイミングの見極め方
  • 焦らず進めるための考え方 など

“その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。

・講師は、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家(理学療法士 兼 公認心理師)
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みんなのトイトレ体験談

▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例

▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

専門家監修 排泄しやすい姿勢のコツ!正しい足のつけ方と前傾姿勢の作り方

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この記事を書いた人

慢性期病棟での勤務を通じて、排泄ケアや自己導尿の指導などに関わってきました。医療的ケア児である長男の排泄ケアを行いながら、4歳のきょうだいのトイトレにも奮闘中!

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