12時間トイレに行かない子ども…病院に行くべき?年齢別の判断ポイントと注意点を解説

12時間トイレに行かない 子ども…病院に行くべき?年齢別の判断ポイントと注意点を解説

子どもが12時間もトイレに行かない状況に直面すると「何か異常があるのではないか」と心配になりますよね。特に普段よりも明らかに長い時間トイレへ行かない場合、不安が募るものです。

この記事では、子どもが12時間トイレに行かない原因や保護者が知っておきたい対処法などについて詳しく解説していきます。「長時間トイレへ行かないわが子は病気?」と心配な方は、ぜひお読みください。

この記事の監修者

看護師 上野 和香奈

正看護師・保健師。急性期から慢性期まで幅広い看護に携わり、排泄ケアや排泄管理の指導をしてきました。

家庭では医療的ケア児と、トイレトレーニング真っ最中の子どもを育児中。臨床と家庭の両方の経験をもとに、保護者の気持ちに寄り添った排泄支援の情報発信を心がけています。

目次

12時間トイレに行かないのは異常?

清潔な洋式トイレ

子どもの排尿間隔が長くなると、保護者として「これは普通なの?」と疑問に思うものです。

第一に、幼児期(おおよそ5歳以下)の子どもが12時間以上排尿していない場合は、身体の不調や脱水など、何らかの異常が起きている可能性が高いです。特に「水分をしっかりとっているのに排尿がない」「お腹が張っている」「元気がない」などのサインがある場合は、ただちに医療機関へ受診してください

一方で、学童期以降の子どもでは、体調や生活状況によって一時的に排尿間隔が長くなるケースもあります。ただし、排尿が極端に少ない、または他の不調がある場合は、年齢にかかわらず注意が必要です。

まずは、年齢ごとの排尿の目安を確認し、受診が必要かどうかを見極める参考にしてみましょう。

年齢別の正常な排尿間隔

幼児期(2歳~5歳)

幼児期の子どもは、膀胱がまだ小さくて尿を溜める力も発達途中です。そのため、比較的短い間隔でトイレに行く必要があります。この時期の子どもは、遊びに夢中になると尿意を忘れてしまうことがありますが、基本的には短時間でトイレに行くのが一般的です。

  • 1日の排尿回数:5回~8回程度
  • 排尿間隔:2時間~4時間程度

学童期(6歳~12歳)

学童期になると、膀胱の容量が大きくなり尿を溜める力も発達してきます。学校生活が始まることで、ある程度の我慢ができるようになるのも特徴です。

  • 1日の排尿回数:4回~7回程度
  • 排尿間隔:3時間~6時間程度

思春期(13歳以上)

思春期になると、膀胱の機能がほぼ成人と同程度まで発達し、長時間の我慢も可能になります。また、この時期の子どもは、部活動や勉強に集中するあまり、トイレに行くのを後回しにしてしまうケースも少なくありません。

  • 1日の排尿回数:4回~6回程度
  • 排尿間隔:4時間~8時間程度

個人差があることも理解しておく

3人の子どもが並んで笑顔で手を上げる

上記で挙げた排尿回数や間隔は、あくまで一例です。子どもによって体質や生活習慣が異なるため、実際には排尿間隔には個人差があるもの。たとえば、就寝前にしっかりトイレに行ってから朝まで排尿がないといったケースは、水分摂取量や生活リズムによっては一時的に見られることもあります。

大切なのは、子どもにとっての「いつものパターン」を把握することです。いつものパターンがわかれば、「子どもの普段の状態と比較して、明らかに変化があるか」を見極めることができます

長時間トイレに行かない原因として考えられること

子どもが長時間トイレに行かない背景には「おしっこの量が少ない」場合と「おしっこは溜まっているけれど出せない」場合があります。それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

おしっこの量が少ない(尿量が減っている)

水分摂取量の不足

子どもが普段よりも水分を摂取していない場合、体内の水分量が減少し、尿の産生量も減少します。冬場は空気が乾燥しているにも関わらず、夏場ほど水分摂取を意識しない場合も珍しくありません。また、体調不良時には食欲とともに水分摂取量も減少しがちです。

発汗量の増加

汗だくで驚いた表情の男の子

夏場の暑さや運動後、発熱時などは発汗量が増加し、体内の水分が汗として排出されるものです。また、プールや海水浴、激しい運動の後などは通常よりも多くの水分が汗として失われるため、尿として排出される水分が減少する場合があります。

腎機能の低下

腎臓の機能に何らかの障害がある場合や体調が大きく崩れている場合に、腎臓で作られる尿の量が極端に少なくなることがあります。元気がないぐったりしているなど、全身の様子に明らかな異変がある場合は、早急に受診しましょう

おしっこは溜まっているけれど出せない(排尿できない)

トイレへの恐怖心や使いにくさ

便器にバツ印の紙が置かれている

新しい環境のトイレや、過去に怖い体験をしたトイレなどに対して恐怖心を抱いている場合、おしっこが溜まっていてもなかなか排尿できないケースがあります。特にトイトレの際に叱られた経験がある子どもは、トイレに対して恐怖心を持ち、尿が出せなくなってしまいがちです。また、トイレの環境が子どもにとって使いにくい場合も、自然と避けてしまう場合があります。

集中状態

ゲームや読書、お絵かきなどの好きな遊びに夢中になっている時間は、尿意を無視してしまうケースがあります。子どもは大人以上に集中力が高い場合があり、興味のあることに取り組んでいる場合は、体の感覚よりも活動を優先してしまいがちです。

我慢する習慣

困り顔のトイレットペーパー

学校や外出先でのトイレに抵抗がある場合、我慢する習慣が身についてしまうケースも珍しくありません。学校のトイレが汚れていたり休み時間が短かったりすると、家に帰るまで我慢してしまう子どもがいます。

生活リズムの変化

引っ越しや転校、長期休暇などで生活リズムが変わると、排尿パターンも変化する場合があります。新しい環境に慣れるまでの間は、いつものトイレのタイミングが掴みにくいものです。また、旅行先での環境の変化も、一時的に排尿習慣に影響を与えることがあります。

便秘による膀胱の圧迫

腸に便が溜まっていると、膀胱が圧迫され、尿を出しにくくなる場合があります。便秘による腹部の不快感で、トイレ自体を避けてしまうケースもあります。

膀胱炎などの感染症

排尿時に痛みを感じる膀胱炎などの感染症がある場合は頻尿になるのが一般的です。しかし、子どもの場合は痛みを避けるために我慢してしまい、トイレに行くのを避けてしまうケースも見られます。

12時間トイレに行かなかったら医療機関へ受診するべき?

壁にかけられたアナログ時計

12時間トイレに行かない状況が続く場合「病院へ行ったほうがいいの…?」と悩みますよね。迷ったときの判断の目安として、年齢や体調の状態に応じた対応を知っておきましょう。

幼児期(5歳以下)はまず受診を検討しよう

幼児期(特に5歳以下)の子どもが12時間以上排尿していない場合は、脱水や排尿トラブルなど、体に異常が起きているの可能性が高いです。

特に、水分をしっかり摂っているにもかかわらず排尿が見られない、元気がない、腹痛を訴えるなどの症状がある場合は、自己判断で様子を見ずに、迷わず医療機関を受診してください。

学童期以降は、体調や症状を観察して判断を

学童期(6歳以降)の子どもでは、生活リズムや集中状態、水分摂取量の影響で一時的に排尿間隔が長くなることもあります。

そのため、まずは子どもの全体的な様子を観察するのが大切です。食欲はあるか、元気に遊んでいるか、はないかなど、普段との違いを確認してみてください

これらに大きな異常がなければしばらく様子を見ることも可能ですが、不安なときはためらわず受診することが大切です。

受診の目安となるサイン

お腹をおさえてつらそうな女の子

以下のような症状がある場合は、医療機関で相談しましょう。

尿意があるのに出せない

子どもが「トイレに行きたいけれど出ない」と訴える場合や、トイレで力んでいるのに尿が出ない様子が見られる場合は、膀胱や尿道に問題がある可能性があります。このような状況が続く場合は、医療機関へ受診するのがおすすめです。

お腹の張りや痛みがある

お腹を触ると張っている感じがする場合や、子どもが腹部を押さえて痛がる様子が見られる場合は、膀胱に尿が溜まっている可能性があります。特に下腹部の張りや痛みがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

脱水が疑われる

唇が乾いている肌の弾力がない尿の色が濃い元気がないなどの症状が見られる場合は、脱水症状の可能性があります。これらの症状が見られる場合は、水分補給と併せて医療機関での受診を検討してください。

同じ症状を繰り返す

定期的に同じような症状が繰り返される場合は、根本的な原因がある可能性があります。一時的な症状ではなく、継続的に長時間の排尿間隔が続く場合は、医療機関で相談してみましょう

普段から子どもの様子をしっかり観察しよう

親子が手をつなぐ

子どもの健康について心配になるのは、保護者として当然の気持ちです。特に排尿の問題は目に見えにくく「これで大丈夫なのか」と不安に感じることも多いでしょう。

日常的に子どもの様子を観察すると、小さな変化にも気づけるようになり、早めの対応が可能になります。排尿の回数や間隔水分摂取量食事の量睡眠の質などを簡単にメモしておくと、子どもの健康状態の変化を把握しやすいためおすすめです。

ただし、幼児期の子どもが12時間以上排尿していない場合や、明らかに元気がない・お腹が張っている・尿がまったく出ないといった異変があるときには、ためらわず医療機関に相談しましょう

一見元気そうに見えても、体の中では何か異変が起きている可能性もあります。判断に迷ったときは、自己判断せず医師に相談することが、子どもの安心と健康を守ることにつながります

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この記事を書いた人

臨床心理・発達支援に携わるカウンセラー。日々お伺いするありのままの声をはじめ、自閉スペクトラム症の娘とのトイトレ経験をふまえて執筆しています。

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