中学生でオムツが取れないのはなぜ?保護者の負担を軽減しながら向き合う方法を解説

中学生オムツが取れないのはなぜ?保護者の負担を軽減しながら向き合う方法を解説

小学校入学前には取れると思っていたオムツが、気づけば中学生になっても続いている

毎日のオムツ交換や夜間のシーツ交換に追われ、周囲には相談できず孤独を感じることもありますよね。

この記事では、中学生でオムツが取れない理由や保護者が抱える悩み、そして焦らず向き合うための具体的な対処法を解説します。「親としてもっとできることがあるのでは」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。

目次

中学生でオムツが取れないのはどんな理由がある?

緑の多い並木道を、制服姿の学生が後ろ姿で歩いている写真です。通学や日常の一場面を感じさせる、明るく落ち着いた雰囲気の構図です。

中学生になってもオムツが取れない背景には、さまざまな要因があります。一人ひとり状況は異なるため、まずは子どもの状態を理解するのが大切です。

身体的な要因

中学生でオムツが取れない場合、便秘や膀胱の機能的な問題、神経系の疾患など、身体的な理由で排泄のコントロールが難しい場合があります

たとえば、二分脊椎症などの疾患がある子どもの場合、膀胱や直腸を支配する神経に影響があると、年齢が上がっても自力での排泄コントロールが難しい場合があります。

また、慢性的な便秘により膀胱が圧迫されることで、失禁が起こりやすくなるケースもみられます。

このような身体的な要因がある場合は、医療機関での継続的なフォローが必要です

心理的な要因

過去のトイトレでの失敗体験や保護者の焦りを敏感に感じ取り、トイレに対して恐怖心や強いプレッシャーを抱いているケースも少なくありません。

思春期を迎えた中学生なら「できない自分」への劣等感や羞恥心が、かえって排泄への緊張を高めている可能性も考えられます。

トイレという行為そのものに強い不安を感じている場合、無理に急がせるとさらに状況が悪化するケースもあります

発達の特性

発達に特性がある場合、排泄の感覚がわかりにくかったり、トイレという場所や行為そのものに強い不安を感じたりするケースもあります

たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもは、感覚過敏によってトイレの音や空間が苦手だったり、こだわりの強さから特定の場所でしか排泄できなかったりするケースも見られます。

また、注意欠如・多動症(ADHD)のある子どもは、遊びや活動に夢中になると排泄の感覚に気づきにくく、タイミングを逃してしまうのも珍しくありません。知的障害がある場合は、排泄のサインを理解するのに時間がかかることもあるでしょう。

「中学生の子どものオムツが取れない…」保護者が抱える悩みと負担って?

ソファに座った女性が、両手を組んでうつむき、悩んだり疲れたりしている様子の写真です。静かな室内で、気持ちの重さや不安が伝わる構図になっています。

中学生の子どものオムツ介助を続ける保護者は、日々さまざまな悩みを抱えています。ここでは、多くの保護者が共通して感じている負担について見ていきます。

体力的な負担がある

オムツから漏れてしまった場合のシーツ交換は、体力的にも精神的にも大きな負担です。中学生になると思春期特有の羞恥心や抵抗感が出てくることもあり、交換時に協力を得にくくなったり、時間がかかったりするケースもあります。

また、夜間のシーツ交換で睡眠が中断される場合もあり、慢性的な疲労を感じている方も多いでしょう。

経済的な負担がある

中学生用の大きいサイズのオムツは高額で、毎月の出費がかさみます。専門医への通院や療育にかかっている場合はその費用も加わり、家計を圧迫することも。

オムツ代だけではなく、お尻ふきや防水シーツなどの関連用品も必要になる上、継続して費用がかかるため、排泄に関連する出費が大きくなりがちです。

周囲に相談できない孤独感がある

「中学生でオムツが取れない」という悩みをなかなか話せず、学校の先生や他の保護者との会話でもこの話題だけは避けてしまう。そんな孤立感は、保護者の心をさらに追い詰めていきます。

同じ悩みを持つ保護者と出会う機会も少なく「自分だけがこんなに大変なのではないか」と感じてしまう場合もあるでしょう。誰にも相談できず一人で抱え込んでしまうと、精神的な疲労はさらに蓄積していきます

自責感と将来への不安とを感じる

「親としてもっとできることがあったのでは」という罪悪感と「いつまで続くのだろう」という将来への不安。この2つの感情の間で揺れ動きながら過ごしている保護者の方も多いはずです。

「トイトレのやり方が間違っていたのでは」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。しかし、オムツが取れないのは決して保護者の責任ではありません

トイトレ博士

さまざまな要因が複雑に絡み合っているからこそ、一人ひとりに適した支援が必要なんじゃ

中学生のオムツが取れない悩みに焦らず向き合う7つの対処法

中学生のオムツ問題に向き合う際は、焦らず段階的に進めるのが大切です。ここでは、今日からでも始められる具体的な7つの対処法をご紹介します。

1.専門家へ相談する

机の上に聴診器が置かれ、その奥で白衣を着た医療従事者が書類に記入している様子の写真です。医療相談や専門的な支援を連想させる、清潔感のある場面です。

まずは、かかりつけの小児科医や発達相談の専門機関に相談してみてください。排泄の問題の複雑な要因を専門家の視点から見てもらうと、適切な支援の方向性が見えてきます

小児泌尿器科や小児外科、発達障害の専門医など、必要に応じて複数の専門家の意見を聞くのも有効です。また、地域の発達支援センターや療育施設でも相談に乗ってもらえる場合があります。

トイトレ博士

子どもトイレ相談所でも、排泄に関する悩みが相談できるんじゃ。オンラインで相談できるから、気軽に使えて便利じゃよ。

2.排尿パターンを記録する

排泄のパターンを把握するために、以下の項目を記録してみるのも有効です。

  • 排泄の時刻
  • 排泄物の量
  • そのときの具体的な様子 など

「朝起きた直後」「給食の後」「夕方4時頃」など、排泄のタイミングに規則性が見えてくる場合もあります。ただし、子どものプライバシーに配慮する心がけが必要です

トイレくん

データがあると、専門家へ相談するときにも役立つね♪

3.トイレ環境を見直す

以下の点に注目して「トイレが子どもにとって快適な空間か」も確認してみてください。

  • 照明の明るさ
  • 便座の高さ
  • 手すりの有無
  • 流す音の響き方 など

子どもが安心できる環境を整えると、トイレへの抵抗感が和らぐこともあります。好きなキャラクターのポスターを貼ったり、落ち着く音楽を流したりするのも一つの方法です。

感覚過敏がある場合は、照明の調整や防音対策も検討してみてください。

4.子どものペースを尊重する

早くオムツを取らなければ…

そんなプレッシャーを感じるのは、子どもと真剣に向き合っている証拠です。しかし、保護者の焦りが子どもに伝わると、かえって子どもの排泄への緊張を高めてしまう場合があります。

「一歩ずつ進んでいけば大丈夫」という気持ちで、わが子なりのペースに合わせてみてください。小さな成功体験を積み重ねると、長い目で見た際に確実な前進につながります。

5.トイレ用品を見直す

パンツタイプやテープタイプ、吸収量の違いなど、子どもの状態に合ったオムツを選ぶと、交換回数を減らせる可能性があります。

たとえば、日中は動きやすいパンツタイプを使い、夜間は吸収量の多いテープタイプに切り替えるなど、時間帯や活動内容に応じて使い分けるのも一つの方法です。

最近では、中学生向けの大きいサイズでも薄型で目立ちにくい製品や、消臭機能が強化されたものも増えています

また、ベッドや布団に直接敷くタイプの防水シーツは、万が一漏れた場合でも寝具全体を洗う手間が省けます。

6.家族や支援者と役割を分担する

一人ですべてを抱え込まず、家族で役割を分担するのも大切です。パートナーや祖父母など、協力してもらえる人がいれば遠慮せずに頼ってみてください

また、地域の支援制度を利用できる場合もあります。自治体の障害福祉窓口に相談すると、利用可能なサービスについて教えてもらえます。

トイトレ博士

支援を受けるのは恥ずかしいことではなく、保護者自身の心身を守るためにも必要なんじゃ

7.排泄予測デバイス「DFree」を活用する

排泄予測機器DFreeの画像です。タブレットに尿のたまり具合を「6」で示された画面がうつっており、その近くに小型の白い装着用デバイスが置かれています。

排泄予測支援機器「DFree」を活用するのも選択肢の一つです。

DFreeは、お腹に装着するだけで超音波センサーで膀胱の尿のたまり具合を計測し、スマートフォンやタブレットに排泄のタイミングを知らせてくれます。

排泄のタイミングがわかると、声かけや誘導の頃合いが掴みやすくなり、保護者の負担を軽減できるのが魅力です

DFreeの使い方やメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています

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オムツが取れない中学生には相談と工夫で負担を減らして対応しよう

中学生でオムツが取れないのは、身体的な要因や心理的な要因、発達の特性など、さまざまな背景があります

大切なのは、子どものペースに合わせて成長を見守ること、そして一人で抱え込まないことです。

焦らず、責めず、一歩ずつ。専門家への相談や排泄パターンの把握、トイレ環境の見直しなど、できることから始めてみてください。

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横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること

  • 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
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その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。

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▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例

▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

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この記事を書いた人

臨床心理・発達支援に携わるカウンセラー。日々お伺いするありのままの声をはじめ、自閉スペクトラム症の娘とのトイトレ経験をふまえて執筆しています。

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