

うちの子はどうしてトイレに行きたがらないんだろう



学校で失敗してしまうのではないかと毎日心配
発達障害の子どもには、感覚の特性や集中力の問題から、トイレを我慢してしまう傾向が見られる場合があります。トイレ失敗後の着替えや洗濯物の増加に追われ、常にトイレのタイミングを気にして落ち着かないこともありますよね。
この記事では、発達障害の娘を育てる筆者が、発達障害とトイレを我慢する行動の関係性や家庭で実践できる具体的なサポート方法を解説します。「どう対応すればいいのかわからない」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。
発達障害の子どもがトイレを我慢してしまう理由って?


発達障害の子どもがトイレを我慢する背景には、その子特有の感じ方や考え方が影響しています。まずは「なぜトイレを我慢してしまうのか」を紐解いていきましょう。
感覚過敏によるトイレへの抵抗感があるため
発達障害の子どものなかには、感覚過敏を持つケースが多く見られます。
トイレは、感覚過敏のある子どもにとって苦手な刺激がたくさん潜んでいる場所です。水が流れる音の大きさ、便座の冷たさや硬さ、独特の臭い、狭くて音が響く空間など、これらすべてが不快に感じられる場合があります。
「トイレ=嫌な場所」という認識ができて、結果的にトイレを我慢してしまうのです。
興味のあることへの集中力が高くて尿意に気づけないため
発達障害の子どもは、興味のあることに集中しすぎて、身体からのサインに気づきにくい傾向があります。遊びや勉強に夢中になっていると、尿意や便意など身体の感覚に意識が向かないのです。
また「さっきトイレに行ったばかり」と感じていても、実際には2時間以上経過していることも珍しくありません。こうした時間感覚のズレも、トイレを我慢してしまう要因の一つといえます。
切り替えの難しさやこだわりがあるため
発達障害の子どもの多くは、活動の切り替えに時間がかかる傾向があります。「していることを中断してトイレに行く」という行動の切り替えが、想像以上に高いハードルとなっているケースも少なくありません。
そのため「いまはトイレの時間じゃない」と考え、尿意があっても我慢してしまうのです。



自閉スペクトラム症の筆者の娘も「いまはこれをする時間」というスケジュールへのこだわりが強く、予定外の行動に強い抵抗を感じる様子がみられます
失敗への強い不安や恐怖心があるため
過去にトイレで失敗した経験がトラウマになり、トイレという場所そのものに不安を感じている、子どもも少なくありません。「また失敗するかもしれない」という恐怖心から、トイレに行くこと自体を避けようとしてしまいます。
特に、発達障害の子どもは、過去の嫌な体験を強く記憶している傾向があります。一度「トイレ=怖い場所」というイメージができてしまうと、それを書き換えるのには時間がかかりやすいのです。
「発達障害の子どもがトイレを我慢しないために」家庭でできる7つのサポート方法
子どもがトイレを我慢してしまう理由がわかったら、次は具体的な対応を考えていきましょう。ここでは、家庭で実践できる7つのサポート方法をご紹介します。
1. 子どもに合わせてトイレ環境を調整する


感覚過敏がある場合は、子どもが快適に感じられるようにトイレの環境を工夫するのが効果的です。便座カバーをつけて冷たさや硬さを軽減したり、好きなキャラクターのポスターを貼って安心感を持たせたりする方法があります。
音に敏感な場合は、止水栓を少し締めて水の流れる速度と圧力を調整すれば、トイレを流す音の大きさを和らげることが可能です。止水栓は、トイレの背後や側面にあります。
臭いが苦手なら、刺激の少ない消臭剤を選ぶのもよいでしょう。



小さな変化でも、子どもにとっては大きな安心材料になるんじゃ
2. タイマーやアラームで定期的にトイレタイムを設定する
集中しすぎて尿意に気づけない子どもには、時間で区切ってトイレに行く習慣をつけるのが有効です。1時間半から2時間おきにタイマーをセットして「トイレの時間だよ」と声をかけます。
なお、選択肢を与えると「行かない」と答えてしまう場合も多いため「トイレに行く?」と聞くのではなく「トイレの時間だね」と事実を伝えるのがポイントです。



わが家でも「トイレの時間=ルーティン」として定着させています
3. 活動の切り替えに予告時間を設ける


切り替えが苦手な子どもには、いきなり「トイレに行こう」と声をかけるのではなく、予告の時間を設けるのが大切です。「あと5分したらトイレに行くよ」と伝え、その後「あと2分」「あと1分だね」と段階的に声をかけていきます。
視覚的にわかりやすいタイマーやアプリを使うと、より効果的です。心の準備ができて、「活動→トイレ」の切り替えがスムーズになります。



活動時間の見通しを立ててあげるんじゃ
4. トイレを一日のスケジュールに組み込む
こだわりの強い子どもには、トイレをスケジュールの一部として明確に位置づけるのが有効です。たとえば、以下のように一日の流れのなかにトイレタイムを組み入れます。
- 起床後
- 朝食の前
- 外出前
- 昼食後
- おやつの前
- 夕食後
- 就寝前 など
視覚支援として、絵カードやホワイトボードに一日の予定を書き出し、トイレの時間も明示しておくとわかりやすくなります。「次はトイレだね」と確認しながら進めていくと、安心感につながります。



筆者の娘も「スケジュール通りに行動している」と思えると心が落ち着くようです
5. 成功体験を積み重ねて自信をつける
失敗への不安が強い子どもには、小さな成功体験の積み重ねが重要です。トイレに行けただけでも「行けたね」と認め、出る出ないにかかわらず「座れたね、すごいね」と肯定的な声かけをします。
シールや好きなキャラクターのスタンプを使ったごほうびシステムも効果的です。ただし、失敗したときに叱ったり、ごほうびを取り上げたりするのは避けてください。



成功したときだけに注目し、失敗はさらっと受け流す姿勢が大切じゃ
6. 外出時の不安を軽減する工夫をする
外出先でのトイレ失敗が不安な場合に大切なのは、事前の準備と心の備えです。出かける前にトイレへ行く習慣をつけたり、着替えやウェットティッシュなど失敗時の対応グッズを常に持ち歩いたりするのが効果的といえます。
初めて行く場所では、到着後すぐにトイレの場所を確認するのもよいでしょう。必要に応じて、安心できるオムツやパッドを活用するのも選択肢の一つです。



「失敗しても大丈夫」という安心感が、むしろ失敗を減らすことにつながりやすいんじゃよ
7. 便利アイテムの活用を検討する


最近では、トイレのタイミングを予測してお知らせしてくれる排泄予測支援機器も登場しています。たとえばDFree(ディフリー)は、超音波センサーで膀胱の尿のたまり具合を測定し、トイレに行くべきタイミングをスマートフォンに通知してくれます。
DFreeを活用すると、保護者が常にトイレのタイミングを気にする負担が大幅に軽減され、子ども自身も適切なタイミングでトイレに行く習慣が身につきやすくなります。特に、集中しすぎて尿意に気づけないタイプの子どもや外出時の不安が強い保護者にとって、心強いサポートツールとなるでしょう。
▼DFreeの使い方やメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています


トイレを我慢する子どもへの対応で疲れたときは
発達障害の子どもがトイレを我慢する問題への対応は、一日や二日で解決するものではありません。子どもの成長と特性に合わせて、長期的な視点でのサポートが必要です。
そのなかで大切なのは、保護者自身が心身ともに健康でいること。一人で抱え込まず、学校の先生や発達支援の専門家、同じ悩みを持つ保護者同士のコミュニティなど、頼れる場所を見つけてみるのもよいでしょう。
「自分の対応が悪いのかも」という罪悪感を手放し、子どもと一緒に少しずつ前に進んでいく姿勢が、よい方向につながっていきます。
▼トイトレの相談先はこちらの記事でまとめています


トイレを我慢する行動の理解が、子どもの自立への第一歩
発達障害の子どもがトイレを我慢してしまうときに大切なのは、その子が「なぜ我慢してしまうのか」を理解し、その子に合った方法でサポートしていくことです。
今回ご紹介した7つの方法のすべてを、一度に実践する必要はありません。まずは取り組みやすいものから試し、子どもの反応を見ながら調整してみてください。
うまくいかなかった場合、それは失敗ではなく「この方法はわが子には合わないんだ」という発見です。焦らず比べず、子どものペースを尊重しながら、一歩ずつ進んでいきましょう。
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