【ステップ⑤】トイレの自立までの総仕上げ!「トイレの流れを確認」しよう

【ステップ⑤】トイレの自立までの総仕上げ!「トイレの流れを確認」しよう

このステップでは、「トイレの一連の流れ」をあらためて一つひとつ確認することで、子どもが“トイレの自立(自律)”に近づけるような関わりのヒントにします

これまで積み重ねてきた経験を振り返りながら、子どものできること、サポートが必要なことは何なのか、一緒に整理していきましょう。 

目次

トイレの流れを振り返る目的

 トイレの流れを親子で一緒に確認する目的は、

 ・すでにできていること
・少し手助けがあればできそうなこと
・今は負担やストレスが大きいこと

 を整理し、子どもにとって必要な関わり方へとつなげていくことです。

ここで重要なのは「全部ひとりでできるようにすること」を目指さなくても良いということです

できる部分はそのまま任せ、難しい部分は無理のない形でサポートする—このバランスが整ってくると、「できた!」という成功体験が増え、トイレの自立が近づきます。

髙橋先生

お子さんの状態によってできることも「ゴール」も変わります。将来の子どものイベントを見据えて、ゴールを決めるとよいでしょう。パンツを履くことがゴールではなく、「トイレの自立(自律※)」がゴールです。チェック項目がすべて出来ないといけないわけではありません。お子さんの今できることを積み重ね、できないことは無理にやらずに成功体験を増やしていきましょう。

トイレの自立(自律)・・・『トイレ相談所』では障害児排泄支援の専門家の先生監修のもと、障がいや特性などによってズボンの上げ下げや移動などの「動作の自立」が難しい場合でも、自分の意志で排泄のタイミングを決めたり、手段を選んだりするという意味での「自律」は可能と考えています。

また、「トイレの流れの確認」は、必ずしも最後のステップじゃなくてもかまいません。トイトレに取り組む前に説明してみたり、トイトレ中にこまめに一緒に振り返ってみてもOK。必要だと思ったタイミングで取り組むことが大切です

トイレくん

早速、一緒に実践してみよう!

【ステップ⑤| 手順1】トイレの流れを振り返ろう

まずは、トイレの一連の動きを大きく3つの段階に分けて確認してみましょう。

トイレに座り、排泄してトイレを出るまでの動作の中で「何ができているか」「どこが負担になっているか」「どこでつまずきやすいか」という視点で観察します。

① 排泄の前

尿意に気づいてトイレに座るまでの行動には、実はとても多くの要素が含まれています。

□トイレに行きたいと伝えられる(言葉・サインなど)
□トイレまで自分で移動できる
□ズボンやパンツを下ろせる
□便座に自分で座れる

一見スムーズに見えても、「ズボンを下ろす動作に時間がかかる」「便座への移乗が不安定」など、細かく見ると負担になっている部分が隠れていることもあります。

② 排泄中

排泄中は、一見トイレに座っているだけに見えますが、姿勢や感覚面の影響を受けやすい場面です。

心地よい姿勢で座れている
適切な時間、座っていられる
□力まずリラックスできている
「出た」ことを本人がわかっている

子どもが排泄に適した姿勢で座ることができているか、排泄に集中することが出来ているかなども確認しましょう。

③ 排泄の後

排泄後の動作も、トイレの自立には欠かせません。

□お尻を拭ける
□拭き方が適切(前から後ろへ拭くとよい)
□拭いた紙を便器に捨てられる
□水を流せる
□ズボンやパンツを上げられる
□手を洗える
□手を拭ける

「排泄はできるけれど、後片付けが難しい」というお子さんも少なくありません。ズボンを履く、手を洗うなど排泄後の動作も含めて「トイレの自立」です。

それぞれの場面で、すべてを一度にできる必要はなく、どこまでできていて、どこにサポートが必要かを整理することが大切です

トイトレ博士

できる部分はそのまま伸ばし、難しい部分も無理にやらせる必要はないのじゃ。チェック項目はあくまで現状を把握して、必要なサポートを整理するため。子どものペースで進めるのじゃよ。

【ステップ⑤| 手順2】サポート方法を考えよう

「どこができていて、どこが難しいか」が見えてきたら、次はサポートの仕方を整理していきます。

基本の考え方は「できるところは任せる」「難しいところは工夫する」です。

○ できる部分

すでに子どもが自分で安定してできる動作は、少しずつ大人の関わりを減らしていきましょう

たとえば、

  • 声かけの回数を減らす
  • 見守る距離を少し離す
  • 「自分でできたね」と結果をしっかり伝える

こうした関わりを続けることで、「自分でできる」という感覚が積み重なっていきます。

✕ 難しい部分

子どもだけの力では難しい動作については、「だれが」「どこを」「どのように」サポートするのかを具体的に整理することが大切です

以下は、よくあるつまずきポイントと工夫の例です。

ズボンの上げ下ろしが難しい

・ゴムがゆるめのズボンに変更する
・ワンピースやスカートで動作を減らす
・「ズボンの最後のひと上げだけ大人が手伝う」など部分的にサポートする

お尻がうまく拭けない

・ウォシュレットを活用する
・補助具などのツールを取り入れる
・最初は大人が補助し、仕上げだけ本人に任せる
・園や学校の先生に協力を依頼する

水が流せない

・自動洗浄トイレを使う
・ボタンにシールを貼り、視覚的にわかりやすくする
・水を流す役割は大人が担当する

手洗いがうまくできない

・泡タイプのハンドソープを使う
・手洗い歌などを歌いながらリズムで覚える
・「泡立ては本人、すすぎは大人」など段階的に分ける

トイレの一連の流れを覚えるのが難しい

・絵カードで手順を見える化する
・トイレに手順表を貼る
・毎回同じ順番で声かけし、習慣化する

「全部できるようにさせる」のではなく、「本人が無理なく続けられる形」を探すことがポイントです

【ステップ⑤】「トイレの流れを確認する」のよくある質問

Q1. どれくらいの期間続ければいいの?

1~2か月ほどを目安に、できる範囲でに継続するイメージがよいでしょう。
また、この期間で全てできるようになる必要はありません。

お子さんの成長はゆるやかで個性豊かなものです。焦らず、比べず、できたところを褒めながら進んでいきましょう。
「できない部分」は今の段階の課題なだけ。無理に挑戦しなくても大丈夫です

Q2. 自分でやらせる範囲と、サポートする範囲をどう見極めたらいいですか?

まずは、できていることを繰り返していきましょう。

大きな挑戦に向き合うお子さんにとって大切なのは、できた経験から得られる達成感です。この達成感を原動力に、次のステップに進みましょう。

この時大切にしたいのは「できた」という感覚を積み重ねること。成功体験を重ねられるようにサポートし、成長とともに必要なくなったサポートから減らしていきましょう。

Q3. その子に合ったサポートをするには誰に相談したらいいですか?

担当の専門家がいる場合はその方へ相談するのがよいでしょう。たとえば、姿勢や体の使い方については理学療法士(PT)、動作の工夫や道具の使い方については作業療法士(OT)など、それぞれの専門に合わせて相談できると心強いです。

ただし、誰もが身近に専門家がいるとは限りません。大切なことは、お子さんをよく観察することです。

排泄は個別性が高くデリケートな課題であり、また、一般的な手段だけでは解決できないこともあります。身近に専門職がいない場合でも、園や学校の先生、支援員、看護師など、お子さんの様子をよく知っている人に相談することで、具体的なヒントがもらえることがあります。

特に、自分の気持ちを言葉や行動で示しきれないお子さんには複数のサポートが必要です。お子さんやご家族に合った相談先を見つけていきましょう。

今の“できる”を土台に、次の一歩へ

トイレの一連の流れを確認し、できる部分と難しい部分を整理することは、トイレの自立(自律)に向けた大切な総仕上げです。

サポートを減らす部分工夫する部分が明確になることで、親子ともに負担の少ないトイトレが進められます。

子どものペースを大切にしながら、一緒に進めていきましょう。

【全体像】トイトレの進め方に迷ったら

トイトレの進め方に不安を感じたら、いつでも全体のロードマップに戻って確認しましょう。

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この記事を書いた人

フリーランス編集者/ライター。2021年生まれの娘は2歳手前で急性脳症を発症し、重度知的障害・てんかんなど重い後遺症が残りました。現在ゆる~くトイトレにも挑戦中!

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