
またトイレ…?



さっき行ったばかりなのに…
お子さんの頻繁なトイレに、戸惑いや不安を感じていませんか?
子どもの頻尿にはさまざまな理由がありますが、身体的な疾患が明らかでない場合に疑われるのが「心因性頻尿」、つまり心理的な要因による頻尿です。
この記事では、心因性頻尿の原因や症状、治るまでの期間、家庭でできる接し方の工夫についてわかりやすく解説します。
「そのうち治るの?」「どのように見守ったらいい?」そのようにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
監修者:藤田有美(看護師)


株式会社ニト 訪問看護事業部
訪問看護ステーション ニト四谷・管理者
小児専門チーム・看護師
2022年 株式会社ニトに入社し、成人精神科を小児精神科を兼任。2025年8月にはニト初となる小児専門拠点、「訪問看護ステーション ニト四谷」の管理者に就任予定。成人と小児の両方で経験を積んだ今、その子の10年先を見据えたケアを目指している
株式会社ニト:https://nitor.co.jp/
心因性頻尿とは


心因性頻尿とは、ストレスや環境の変化などの心理的な要因によって頻回にトイレに行く状態のことです。
では、どのくらいのトイレの頻度を頻尿というのでしょうか。以下に、一般的な子どもの排尿回数をまとめました。
一般的な子どもの排尿回数
2~5歳:5回~8回程度
6歳~12歳:4回~7回程度
13歳以上:4回~6回程度
ただし、これはあくまで「目安」であり、子どもの排尿回数には個人差があります。
目安としては、排尿の機能が確立するといわれている5歳を過ぎても1日の排尿回数が10回以上である、これまでの排尿回数と比べて明らかにトイレへ行く回数が多い場合は、頻尿といえるでしょう。
心因性頻尿の原因


心因性頻尿の原因は、環境の変化や不安、ストレスなど心理的な要素であることが多いです。
心因性=「こころの問題」というイメージに不安を覚える方もいるかもしれませんが、決してネガティブに捉える必要はありません。環境の変化や不安を感じ取ることができ、感受性が豊かで繊細な心を持っている証ともいえます。
たとえば、以下のような出来事がきっかけになることがあります。
- 入園・入学など新しい環境になった時
- 引っ越しや家族関係の変化
- 苦手な先生や友達との関係
- 学校行事などのプレッシャー
- 排泄に関する嫌だった経験(おもらしなど)
- きょうだいの誕生
藤田先生の一言メモ



子どもの心と体は密接に繋がっています。大人からすると些細に思えることでも、子どもにとっては大きな出来事となり、体の症状として表れる事があります。
心因性頻尿の症状
心因性頻尿の症状は、少量ずつの頻回な排尿です。排尿時の痛みや腹痛などの身体的な症状はありません。また、遊びなど何かに集中している時にはトイレに行こうとしないことが、大きな特徴です。
その他の頻尿の原因として、膀胱炎や糖尿病などがありますが、これらの疾患は排尿時の痛みや血尿、尿量の増加などの身体的な症状があらわれます。
頻尿以外の症状がなく、病院で検査をしても身体的な異常がない、状況によって尿意にムラがあるといった場合は心因性頻尿が疑われます。
▼その他の頻尿の原因についてはこちらの記事で詳しく解説しています。


心因性頻尿の治療
子どもの心因性頻尿は基本的には特別な治療は必要なく、子どもが安心感を得られるような関わりを続けることで、自然と落ち着いてくるケースが多いです。
なお、頻尿が長期化して日常生活への影響が大きい場合には、心理療法や遊戯療法を検討するケースもあります。



子どもを温かく見守り、安心できる環境を整えることが改善への第一歩です。
心因性頻尿はどのくらいで治る?
心因性頻尿が治るまでの期間は個人差が大きく、中には半年程度症状が続くこともありますが、原因となっている不安やストレスの解消によって、徐々に治ることがほとんどです。



ストレスや不安の解消って、具体的にどうしたらいいの?



それは子どもへの接し方に工夫が必要じゃよ!
子どもとの接し方のポイント


トイレを我慢させない
本人の行きたいタイミングで、好きなようにトイレに行かせるようにしましょう。何度もトイレに行く姿を見ると、つい「またトイレ⁉」「さっきも行ったでしょ!」と言ってしまいそうになりますが、まずはプレッシャーを与えないことが大切です。



トイレに行きたい気持ちを受け止めてあげることが、子どもにとって大きな安心に繋がります。プレッシャーを感じないことで、結果的に回数が落ち着いてくることも多いです。
トイレの回数を気にしすぎない
頻尿が心配なあまり、トイレの回数を数えている場合もあるかもしれません。保護者が回数を把握することは問題ありませんが、子どもに「〇回目だよ」と伝えると、ますますトイレのことを気にするようになり逆効果になってしまいます。
集中できることをする
心因性頻尿の大きな特徴は、何かに集中しているときには尿意が気にならないことです。そのため、トイレへの意識が集中しすぎないように、一緒に遊んだり、スポーツをしたりして、トイレから意識をそらす時間を作るのも効果的です。
親がゆったりとした気持ちでいる
子どもが何度もトイレに行くと心配になるのは、親として当然のことです。不安になったり、イライラしたりしてしまうこともあるかもしれません。そして、そんな保護者の姿を子どもはよく見ています。「自分がトイレに行くことで親を困らせている…」と感じると、より不安が増してしまうこともあるかもしれません。「そのうち治る」と思って、ゆったりと見守ることを心がけましょう。



子どもは保護者の表情や態度から安心を感じとります。焦らず見守る姿勢が、子どもの心を落ち着けてくれます。
保育園や学校の先生と連携する
保育園や学校の先生と対応方法を共有しておくことも大切です。家庭以外でも、子ども本人のタイミングでトイレに行くことができる環境を整えられると良いでしょう。
就学児の場合、授業時間にはトイレに行きにくいものです。さりげなくトイレに行きやすいよう、廊下に一番近い席にしてもらうなどの配慮をお願いしてみるのも良いでしょう。どうしても授業に集中できない場合には、オンラインでの授業参加が可能か相談してみるのも手段の一つです。
子どもの気持ちを尊重しながら、ゆったりと見守ろう


心因性頻尿は、子どもなりにストレスや不安に対処しているサインです。かかわり方を工夫することで自然と治ることも多いので、まずは子どもの気持ちを尊重しながら、親自身が寛大な気持ちで見守ることが大切です。
そうはいっても心配が拭えない場合には、悩みを抱え込まないことが大切です。
保護者の気持ちの安定は、子どもに安心感を与えるための土台です。保育園や学校の先生など周りを頼りながら、子どもをサポートしていきましょう。
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