「3歳になって、トイレには座れるのになかなか排泄してくれない。」
「オムツのときはスムーズに出るのに、トイレだと出ない。」
そんな子どもの様子を見ていると「いつになったらできるようになるのだろう」と不安になりますよね。特に3歳という節目の年齢だからこそ、周りの子どもと比べて焦りを感じる場合もあるでしょう。しかし、子どもがトイレでおしっこが出来ないのには、ちゃんとした理由があります。
この記事では、トイトレ中の3歳の子どもがトイレで出ない理由や寄り添い方、効果的なアプローチをご紹介します。
3歳なのに「トイレでおしっこ出来ない…」これって大丈夫?

「3歳」は、トイトレの一つの目安として語られることが多い年齢です。しかし、実際にはすべての子どもが同じペースで成長するわけではありません。
子どもの発達には個人差があり、身体の準備が整う時期も心の準備ができるタイミングもそれぞれ異なります。3歳だからといって、必ずトイレで排泄できなければならないわけではないのです。
「トイレで排泄できない状況」は、子どもからの「まだ準備中だよ」というサインかもしれません。焦らず、子どもの気持ちに寄り添いながら進めていくと、トイトレ成功の道筋が見えてきます。
トイレで出ない3歳児…その理由って?
子どもがトイレで出ない背景には、以下のようなさまざまな要因が関わっています。
身体的な準備が整っていない

3歳という年齢に達していても、排泄に関わる身体の機能が完全に発達していない場合があります。たとえば、膀胱の発達が追いついていなかったり、排泄のタイミングをコントロールする筋肉がまだ未熟な場合も珍しくありません。
これらの身体的な発達には個人差があり、早い子もいれば時間のかかる子もいます。大切なのは、子どもの身体が自然なペースで成長しているのを理解し、急かさずじっくり待つ姿勢です。
▼膀胱の発達や排尿のメカニズムについて詳しく知りたい方はこちら

慣れ親しんだ環境への安心感
子どもにとって、オムツは生まれてからずっと使い続けてきた慣れ親しんだ環境です。立った状態や動いている時に温かく包まれている安心感、いつでもどこでも変わらず排泄できる状態、意識せずにできる習慣的な行為といった要素が、子どもにとって安心できる条件を作っています。
一方、オムツでの排泄は無意識に行えるものですが、トイレでの排泄は意識的な行為です。子どもにとってトイレは新しい環境のため、座る姿勢や場所の変化に戸惑いを感じるのは自然なことといえます。
心理的な不安や恐怖心が関わっている

大人にとっては何でもない空間でも、子どもにとってトイレは不安を感じる場所かもしれません。便座に座ると落ちそうで不安だったり、水が流れる音が大きくて驚いたりなど、いつもと違う場所での排泄に緊張する場合があります。
特に繊細な子どもは、環境の変化に敏感で、新しい場所での排泄に時間がかかるケースも少なくありません。
完璧主義や失敗への恐れ
3歳頃になると、子どもなりに「うまくやりたい」「失敗したくない」という気持ちが芽生えます。「ちゃんと出さなきゃ」というプレッシャー、失敗して怒られるのではないかという不安、「できない自分」を受け入れられない気持ちなど、複雑な感情を抱える場合があるのです。
このような心理状態では、リラックスして排泄するのが難しくなります。
トイトレ中の3歳児にどう寄り添ったらいい?
「トイレで出ない理由はなんとなくわかったけど、じゃあどうサポートしてあげたらいい?」
そう感じている方へ、トイトレ中の3歳児への寄り添い方をご紹介します。
子どもが不安がっていたら受け止める

子どもは「やりたいけど、うまくできない」「ママやパパをがっかりさせたくない」「どうして自分だけできないんだろう」といった複雑な気持ちを、言葉で表現しきれない場合があります。そんな気持ちを理解して「大丈夫だよ」「一緒に頑張ろうね」と声をかけるのがおすすめです。
子どもの不安な気持ちを否定せずに受け入れると、子どもは安心感を得られます。親のあたたかい理解があることで、子どもは自分のペースで成長していけるのです。
比較や催促を避ける
「○○ちゃんはもうできるのに」「早くしなさい」「いつになったらできるの」など、他の子どもと比較したり排泄を催促する言葉は、子どもにとって大きなプレッシャーになります。このような言葉がけは、かえって排泄を困難にする可能性もあります。
代わりに、子どもの頑張りを認める言葉をかけてあげると、子どもの自信につながります。「今日もトイレに座れたね」「頑張っているね」など、過程を大切にする声かけが効果的です。
おもらししても怒らない

おもらしをすると、洗濯物が増えたり片付けが大変だったりと、つい「まただ…」と考えてしまいますよね。保護者自身の感情をコントロールし続けるのも、簡単ではありません。
しかし、おもらしをした際に怒ってしまうと、子どもは排泄を悪いことと思ってしまう可能性があります。そのため「すっきりしたね!」など、できるだけポジティブな声かけを心がけるのがポイントです。
3歳児のトイトレで効果的なアプローチ
では、子どもがトイレで排泄できるようになるために、具体的にどのようなアプローチが効果的なのでしょうか。子どもの気持ちに寄り添った効果的な方法をご紹介します。
トイレの環境を整える

トイトレを進めるにあたり、子どもが快適で安心できるトイレ環境に整えるのはとても大切です。たとえば、以下のような工夫が挙げられます。
- 子ども専用の便座カバーや踏み台を用意する
- 好きなキャラクターのポスターを貼る
- 明るい照明にして怖い印象を和らげる
- 手の届く場所にトイレットペーパーを置く など
「トイレは楽しい場所・安心できる場所だ」と思えるようになれば、自然と排泄への抵抗感も薄れていきます。
リラックスできる雰囲気をつくる
緊張した状態での自然な排泄は難しいものです。焦らず、ゆったりとした気持ちで子どもを見守りましょう。たとえば、以下の方法も有効といえます。
- 優しい音楽を流す
- 好きな絵本を読みながら座る
- 楽しい話をしながら待つ
- 深呼吸を一緒にする など
また、保護者自身がリラックスしていることで、子どもも安心してトイレに向き合えるようになります。
「オムツ感覚」をトイレで再現する

「オムツでは出るのにトイレでは出ない」という状況には、オムツでの安心感をトイレで再現する工夫が効果的です。温かいタオルをお腹や腰に当ててオムツのぬくもりを演出したり「オムツのときと同じように自然に出していいよ」と声をかけたりすると、子どもの緊張を和らげられます。
また、オムツを外す前に「トイレオムツタイム」を設けるのも有効です。トイレオムツタイムとは、オムツを履いたまま定期的にトイレに座ることです。1日2〜3回、食後や起床時などに5〜10分程度便座に座ってもらいます。
座っている間にオムツの中で排泄をしても全く問題ありません。排泄できたら「トイレで出たね!」と褒め、出なくても「よく座れたね」と認めると、子どもは自然に「トイレ=排泄をする場所」という認識を身につけられます。オムツを外すプレッシャーがないため、子どもにとってもストレスが少ない方法です。
成功体験を積み重ねる

トイトレでは、つい“結果”を急いでしまいがちです。しかし「トイレに座れただけでも褒める」「少しでも出たら大いに喜ぶ」「努力している姿を認める」など、“過程”も大切にしてあげてください。
小さな成功体験を積み重ねると、子どもは「できる」という実感を得られ、前向きに取り組めるようになります。「昨日よりも長く座れたね」など成長を実感できる言葉をかけながら、一歩一歩の歩みを楽しんでいきましょう。
一貫性のあるサポートを心掛ける
周りの大人が同じ方向を向いて支援するのも、子どもが混乱しないためのコツです。褒め方や励まし方を揃える、失敗した時の対応を決めておくなど、家族間で方針を統一するとよいでしょう。
また、保育園や幼稚園とも連携して一貫性のあるサポートができるとより効果的です。
トイトレの「3歳」は基準でしかない
「3歳になったらトイレができるはず」「もう3歳なのに、まだオムツなの?」
そんな言葉を聞いたり周りの視線を感じたりして、心が重くなっている方もいらっしゃるでしょう。3歳は、あらゆる成長の目安になりやすい年齢ですが、実際には一つの基準に過ぎません。
子どもの発達には個人差があり、身体的な準備や心理的な準備が整うタイミングはそれぞれ異なります。早歩きを始める時期が違うように、言葉を話し始める時期が違うように、トイトレが完了する時期も子どもによって全く違うのです。
大切なのは、数字に振り回されるのではなく、目の前にいるわが子の様子をしっかりと見つめることといえます。その子の個性やペースを尊重しながら、日々の成長を楽しんでいきましょう。
【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】
「尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。
今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。
【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生
横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること
- 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
- 今日からできる排せつ支援の工夫
- トイトレを始めるタイミングの見極め方
- 焦らず進めるための考え方 など
“その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。
・講師は、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家(理学療法士 兼 公認心理師)
・たった30分の無料講座
・毎日オンライン開催しているので都合に合わせて視聴可能
▼排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座の詳細はこちらから
みんなのトイトレ体験談
▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例
▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!





