軽度知的障害児のトイレトレーニングはどう進める?段階的なステップと家庭でのサポート

軽度知的障害児のトイレトレーニングはどう進める?段階的なステップと家庭でのサポート

トイトレについて調べても、軽度知的障害のわが子には当てはまらない…

軽度知的障害児のトイトレは、一般的な情報がそのまま使えないケースも多く「何を参考にすればいい?」と悩んでいる保護者の方は少なくありません。焦りや自責の気持ちを抱えてしまうこともあるのではないでしょうか。

この記事では、軽度知的障害児のトイトレが進みにくい理由や家庭でできる段階的なサポートを解説します。「この子に合った進め方を知りたい」と考えている方は、ぜひお読みください。

目次

軽度知的障害児のトイトレが進みにくいのはなぜ?

大人が子どもを抱きしめている写真。子どもはぬいぐるみを抱えており、安心感、情緒的サポート、親子の関わりやケアをイメージさせる構図。

軽度知的障害児のトイトレがなかなか進まないのは、保護者の関わり方のせいではなく、その子の特性が関係しています。

軽度知的障害とは

軽度知的障害とは、IQ(知能指数)がおよそ50〜69程度の範囲にあり、18歳未満の発達期に知的発達が実年齢よりも低い状態です。アメリカ精神医学会が作成した診断基準「DSM-5」では、知的障害は知的機能と適応機能の両面から判断したうえで、日常生活のさまざまな場面でサポートが必要とされています。

トイトレに関係する「適応機能」のなかには、排泄の自立も含まれています。排泄に関わる適応機能とは、具体的には以下のような一連の行動のことです。

  • 尿意や便意を感じてトイレまで移動する
  • 衣服の着脱をする
  • 排泄後に処理をする など

つまり、トイトレがうまく進まないのは子どもの特性が関係しており、多くは保護者の関わり方の問題ではないのです。

軽度知的障害児のトイトレが進みにくい具体的な理由

軽度知的障害児がトイトレでつまずきやすいのは、主に以下の理由です。

  • 尿意・便意の感覚がつかみにくい
  • 「トイレ」という言葉と尿意とを結びつけるのが難しい
  • 一連の手順を習慣化するのに時間がかかる
  • 環境の変化に敏感

これらの理由から、そもそもトイトレを始めるタイミング自体も比較的ゆっくりなケースが多いといえます。

一般的なトイトレを始めるひとつの目安としては、オムツが2時間以上濡れていない時間帯がある、「トイレ」「おしっこ」などの発語がある、などがあげられます。しかし、全てがそろっていなくてもトイトレを始めることは可能です。

トイトレ博士

「なんとなく準備ができてきた」と感じたら、ゆっくりスタートしてみていいんじゃ

トイトレ開始時期の目安についてはこちらの記事で解説しています

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軽度知的障害児のトイトレでのかかわり方

軽度知的障害児は言葉の理解や日常的なコミュニケーションはある程度可能です。そのため、理解力や表現力を活かしながら、以下のように段階的にトイトレを進めるのがポイントです。

尿意に少しずつ気づけるようにサポートする

軽度知的障害児は「トイレ」「おしっこ」といった言葉そのものは知っていても「おしっこが出そうな感じ」という身体の内側の感覚を言葉とつなげるのが難しい場合があります。

そのため、感覚と言葉を結び付けるサポートとして、オムツが濡れていた際に「おしっこ出たね」と声に出して伝えるのを繰り返すと効果的です。「出た後に気づく」ができてきたら「出る前に気づく」へと少しずつステップアップしていくとよいでしょう。

伝えようとする気持ちを丁寧に受け取る 

大人と子どもが手を取り合っている様子のクローズアップ写真。支援、安心感、信頼関係、親子や介助者との関わりをイメージさせる構図。

軽度知的障害児がトイレに行きたいとき、言葉ではなく表情や身体の動きでサインを出していることがあります。そのわずかなサインを見逃さず「トイレ?」と確認してトイレに連れて行くのを繰り返してみるのも大切です。

「伝えたらちゃんとわかってもらえた」という経験の積み重ねは、子どもの自発的なサインにつながっていきます。

トイトレ博士

言葉で上手く伝えられなくても、伝えようとしている気持ちをまず受け取ってみるんじゃな

失敗を一緒に乗り越える姿勢を持つ 

子どもは保護者の表情や声のトーンを敏感に感じ取っています。そのため、トイレに失敗したときには過剰に励ます必要はなく「次はトイレでできるといいね」と短く穏やかに伝えるだけで十分です。

保護者が落ち着いた姿勢で失敗を受け止めると、子どもはトイレに対して「失敗しても大丈夫」と安心感を持てるようになります。叱るよりも安心できる関係を保ち続けるほうが、長い目で見てトイトレ成功の近道です

体で覚える経験を積み重ねる

軽度知的障害児は「理解」と「行動」の間に差がある場合も多いものです。「わかっているのにできない」があっても、それはさぼっているのではなく、体の動きとして習慣化するまでに時間がかかっているサインといえるでしょう。

毎回同じ流れで経験を積み重ねると、少しずつ「自分でできた」という感覚が育っていきます。

軽度知的障害児が理解しやすいサポート方法6つ

「かかわり方はわかったけれど、具体的に何を用意したり工夫したりすればいいの?」と考えている方のために、ここでは、軽度知的障害児が理解しやすいトイトレのサポート方法を6つご紹介します。できそうなものから、ぜひ取り入れてみてください。

1.見てわかる情報で手順を伝える

子どもの排尿行動を説明する視覚支援カードの例。「おしっこがたまる」「といれ」「おしっこ」の3枚のイラストカードが並び、排尿の流れやトイレ行動を視覚的に伝える構成になっている。

軽度知的障害児は、言葉だけの説明より「目で見てわかる情報」と組み合わせると理解しやすくなります。そのため、トイレの手順をイラストや写真で示した手順表を壁に貼っておくのがおすすめです。

目で見てわかる情報があると、保護者が毎回説明しなくても子ども自身が確認しながら動けるようになっていきます。

トイレくん

「自分でできた」という経験の積み重ねだね

2.その子だけの「合図」を決めておく

言葉でトイレの訴えができない場合に備えて「トイレ」と書いた絵カードを用意しておいたり、ジェスチャーを決めたりするのも有効です。子どもなりの方法で気持ちを伝えられる環境を整えておくと、子どもが自発的にトイレを伝えやすくなります。

なお、決まった場所に絵カードを置いておく、合図を出したら必ずトイレに連れて行く、など一貫した対応をするのがポイントです

3.「できた」を記録して、成長を一緒に確認する

トイトレの成功は、トイレで出せたときだけではありません。トイレに座れた、自分で合図が出せた、なども大切な成功です。このような小さな「できた」をカレンダーやノートに記録しておくと、保護者自身も子どもの成長を実感しやすくなります

さらに、定期的に子どもと一緒に振り返ることで達成感と自信も育まれていきます。

4.トイレの空間そのものを「安心できる場所」にする

軽度知的障害児は、怖さや不安を言葉で表現できる場合もあるため「トイレの何が嫌なのか」を聞いてみるのも第一歩です。水の流れる音が怖い、狭いのが嫌、便座の感触が苦手など、子どもによって理由はさまざまといえます。

子どもの恐怖の理由に応じてトイレ環境を整えると効果的です。

安心できるトイレ環境を作るヒントはこちらの記事で解説しています

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5.トイレの時間をルーティン化する 

白いテーブルの上に、10分00秒を表示した青色のデジタルタイマーが置かれている写真。時間管理や定時の声かけ、トイレ誘導の間隔設定をイメージさせる構図。

トイレに行く時間をあらかじめ決めてルーティン化するのもおすすめです。起床後・食後・就寝前など、生活の流れの中に「トイレの時間」を組み込んでおくと、子どもが自然と体を動かせるようになっていきます。

トイトレ博士

毎日同じ時間に同じ流れで行動するのが、習慣として定着する近道じゃ

DFreeを活用して排泄のタイミングをつかむ

タブレット画面と小型センサー機器が並んだ写真。排尿のたまり具合や記録情報を表示するアプリ画面が映っており、排尿タイミングの把握や膀胱モニタリング支援機器をイメージさせる構図。

「トイレのタイミングがつかめない」「急にお漏らしする」という悩みには、排泄予測支援機器「DFree」の活用も検討してみてください。

DFreeは、超音波センサーを使用して膀胱内の尿のたまり具合をリアルタイムで計測し、尿意を見える化するウェアラブルデバイスです。数字やグラフで尿のたまり具合がわかり、画面と音でトイレのタイミングをお知らせしてくれるため、おしっこのタイミングを子どもと一緒に理解できてトイレの習慣づけに活用できます。

 「いつ誘えばいいかわからない」という悩みが軽減され、トイトレのハードルが下がるのが魅力です。

DFreeの使い方やメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています

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トイトレには保護者自身の安定も大切

トイトレを毎日繰り返すのは、保護者にとって非常に大変なことです。つい感情的になってしまい、あとから罪悪感を持った経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

トイレの失敗は、子どもにとっても保護者にとっても「練習中」のサインです。うまくいかない日が続いても、それは途中経過にすぎません。まずは、保護者自身が「焦らなくていい」と自分に許可を出してあげてみてください。

ひとりで抱え込まず、以下のような専門機関のサポートの活用も検討するとよいでしょう。

  • 児童発達支援センター
  • 療育施設の職員
  • 小児科の医師
  • 保健センターの保健師

軽度知的障害児のトイトレは「その子のペース」で進めていい

軽度知的障害児のトイトレでは、その子の特性に合った関わり方やサポートを積み重ねるのがポイントです。この記事でご紹介した視覚支援や排泄記録、合図づくり、サポートツールの活用なども、無理のない範囲で試してみてください。

「その子のペースで進めていい」という気持ちを軸に、この記事が日々のかかわりのヒントになれば幸いです。

【参照】DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル

https://www.psychiatry.org/psychiatrists/practice/dsm/updates-to-dsm

【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】

尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。

今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。

【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生

横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること

  • 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
  • 今日からできる排せつ支援の工夫
  • トイトレを始めるタイミングの見極め方
  • 焦らず進めるための考え方 など

その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。

講師は、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家(理学療法士 兼 公認心理師)
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みんなのトイトレ体験談

▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例

▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

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