重度知的障害児のトイレトレーニングはどう進める?効果的な方法や理解しやすいサポートも解説

重度知的障害児のトイレトレーニングはどう進める?効果的な方法や理解しやすいサポートも解説
重度知的障害児のトイレトレーニングはどう進める?効果的な方法や理解しやすいサポートも解説

重度知的障害児のトイトレ、どうやって教えていけばいいの?

重度知的障害児のトイトレについて調べながら、手探りで続けている保護者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、重度知的障害ならではの特性を踏まえたうえで、家庭で実践しやすいトイトレの進め方や具体的なサポート方法を解説します。「うちの子には難しいのかも」と悩んでいる方は、ぜひお読みください。

目次

重度知的障害児のトイトレが難しいのはなぜ?

大人の手が子どもの手をやさしく包み込んでいるクローズアップ。安心感やサポート、信頼関係を表す温かい触れ合いの場面。

重度知的障害児のトイトレが難しいのは、障がいによってトイトレに必要な力が育ちにくいからです

まずこの章では、重度知的障害とはどのような状態なのか、そしてトイトレに必要な力がなぜ育ちにくいのかを順番に見ていきましょう。

重度知的障害とはどのような状態?

重度知的障害とは、知能指数(IQ)がおよそ35以下の状態です。アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5では、知的能力障害を「概念的、社会的、および実用的な領域における知的機能と適応機能両面の欠陥を含む障害」と定義しています。つまり、物事を理解したり考えたりする力、人とコミュニケーションをとる力、身の回りのことを自分でこなす力、これらすべてにおいて、継続的なサポートが必要な状態です。

重度の場合は特にその程度が大きく、日常生活の多くの場面で周囲の手助けが欠かせません。

トイトレに必要な力が育ちにくい理由

トイトレには「複数の力」が同時に必要

トイトレには「尿意・便意を感じる」「それを言葉や表情で伝える」「タイミングに合わせてトイレに移動する」など、複数の力が同時に必要です。

必要な力内容
感じる力尿意・便意を体の感覚として認識する
伝える力尿意や便意を言葉や表情、しぐさで周囲に知らせる
合わせる力タイミングに合わせてトイレまで移動し、排泄をコントロールする

重度知的障害のある子どもは、これらに関わる認知・言語・身体機能の発達がゆっくりな傾向がみられます。そのため、一般向けのトイトレ方法がそのまま通用しないのです。

「できない」のではなく「方法が合っていない」だけ

「何度トイトレをやっても進まない」と感じる際、つい「この子には無理なのかも」と思ってしまいますよね。しかし、それは子どもの問題ではなく「その子の特性に方法が合っていない」場合がほとんどです。

できないのではなく、方法が合っていないだけ」と考え直すのが、焦らず続けていくための大切な視点といえます。

重度知的障害児のトイトレを効果的に進める方法

重度知的障害児のトイトレは、年齢よりも「その子の準備が整っているか」を基に、段階を細かく区切って進めるのが重要です。ここでは、家庭で実践しやすい方法を紹介します。

排泄のサインとタイミングを記録する

まず1〜2週間、排泄の時間帯と様子を記録してみましょう。「食後20〜30分後に出やすい」「起床直後にオムツが濡れている」などのパターンが見えてくると、成功しやすいタイミングでトイレに誘導できるようになります。

重度知的障害児は自分から尿意を伝えるのが難しいケースが多いため、排泄パターンの把握がトイトレの土台になります。記録する項目は「時間・排泄の有無・様子」の3つだけでも十分です。

トイトレ博士

まずはどのタイミングで出やすいのか把握するのが大切なんじゃ

「座ること」から少しずつ慣れさせる

室内で小さな子どもが補助おまるに座り、隣にはぬいぐるみも同じように座っている。遊びの中でトイレトレーニングに慣れる様子が表現されている。

重度知的障害児にとって、トイレという空間そのものが不安の対象になる場合があります。そのため「トイレに入るだけ」「補助便座に座るだけ」という小さなステップから始めるのが有効です。

補助便座や足台で体が安定すると、座ること自体への抵抗が減りやすくなります。好きなキャラクターのシールをトイレに貼ったり、お気に入りのおもちゃを置いたりして「トイレは安心できる場所」という印象を少しずつ作っていきましょう

トイレ環境の整え方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています

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成功したらわかりやすく喜ぶ

重度知的障害児は、抽象的な説明よりも保護者の表情や声のトーンから多くを学びます。そのため、たまたまタイミングが合っただけだとしても、成功した際はわかりやすく喜ぶのが大切です。

「やったね!」という笑顔と喜びの反応が、子どもにとって「またトイレでしたい」という動機づけになります。

トイトレ博士

反対に失敗してしまった場合は、叱らずに淡々と対応するのが重要なんじゃな

重度知的障害児が理解しやすいサポート方法

言葉だけで伝えるのが難しい場合は、視覚や感覚に働きかける工夫が効果的です。重度知的障害ならではの特性に合わせた、以下のアプローチを取り入れてみましょう。

絵カードや写真で「次の行動」を伝える

言葉での理解が難しい子どもでも、視覚的な情報なら受け取りやすいケースが多くあります。その場合「トイレに行くよ」と言葉で伝えるだけではなく、トイレの写真や絵カードを見せ、次に何が起きるかを視覚的に予告する方法が有効です。

支援学校で使っているツールがある場合は、家庭でも同じものを使うと子どもが混乱しにくくなります。

トイトレへの絵カードの活用法はこちらの記事で詳しく解説しています

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毎回同じ手順・同じ言葉で伝える

変化に敏感な重度知的障害児は、見通しが持てると安心しやすい傾向があります。したがって、トイレに誘う際は、毎回同じ言葉と同じ手順で行うのが重要です

「トイレ行こう→座る→終わったら流す→手を洗う」という流れを固定して繰り返すと、子どもが「この流れは安全だ」と認識できるようになっていきます。

重度知的障害児のトイトレで心がけたいポイント

長く取り組み続けるには、保護者自身の心の余裕も欠かせません。ここでは、重度知的障害児のトイトレで心がけたいポイントについて紹介します。

「できた」のハードルを下げる

「トイレで排泄できた」だけではなく「トイレに入れた」「便座に座れた」「泣かずにいられた」なども立派な前進です。重度知的障害児とのトイトレでは、こうした小さな変化を成功として記録しながら積み重ねていく姿勢が、継続の力になります

嫌がる様子があれば無理に進めない

強い拒否が続く場合は、一度立ち止まるのも大切な判断です。無理に進めると、子どもにとってトイレそのものへの恐怖感が強まってしまい、後々の取り組みがより難しくなる可能性があります。

トイレくん

「休む」のも、トイトレの選択肢の一つなんだね

保護者自身も無理をしない

屋外で母親と子どもが抱き合い、顔を近づけて笑い合っている様子。安心感と信頼関係を感じる親子の温かいふれあいの場面。

毎日の送り迎えや医療機関への通院、帰宅後のつきっきりのケアなど、トイトレ以外にも多くの負担を抱えているなかで、さらに排泄ケアの負担まで一人で抱えていると、心身ともに消耗してしまいますよね。そのため、デイサービスや支援学校のスタッフと情報を共有し、家庭だけで抱え込まない姿勢が大切です。

トイトレ博士

トイトレは保護者の体力と気力があってこそ続けられるものじゃ

どうしてもうまく進まない場合の相談先

重度知的障害児のトイトレがどうしてもうまく進まない場合は、以下の窓口に相談するのも一つの方法です。「悩みを直接解決してくれる場所」ではなく「一緒に考えて次の手を探してくれる場所」として捉えておくと、相談後に「意味がなかった」と感じにくくなります。

相談先期待できること
特別支援学校の担任学校と家庭の対応をそろえられる
かかりつけの小児科・発達外来排泄に関する身体的な問題がないか確認でき、医療的な視点からアドバイスをもらえる
相談支援専門員排泄ケアに関する支援機器や訪問サービスの情報を提供してもらえる

DFree株式会社の運営するトイレ相談所でも、トイトレに関する悩みを相談できます。「こんなことを相談していいのかな」と思わず、いま感じている困りごとをそのままお話しください。

トイトレのタイミングを”見える化”する、排泄予測機器DFreeという選択肢

タブレット画面に排便状況を示すアプリの表示があり、隣に「DFree」と書かれた小型デバイスが置かれている。排便のタイミングを予測・記録するためのサポート機器。

重度知的障害児は尿意を自分で伝えるのが難しいぶん「子どもの排泄のサインを見逃さないようにと常に緊張してしまう」と悩まれている保護者も多いものです。そんな負担を少しでも減らすために活用できるのが、排泄予測支援機器「DFree」です。

DFreeは、超音波センサーで膀胱も尿の溜まり具合をリアルタイムに感知して、10段階の数値で教えてくれる機械です。一定量尿が溜まったタイミングで、スマートフォンやタブレットに通知もしてくれます。

そのため「そろそろかも」と排尿のタイミングを掴んで、余裕を持ってトイレに誘導できるようになるのが魅力です。

頑張りを「勘」だけに頼らなくていい、そんな選択肢の一つとしてぜひ知っておいてください。

▼「DFreeを使用してトイレに成功した!」という知的障害のお子さんの体験談はこちら

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重度知的障害児のトイトレは焦らず小さな一歩を大切に

重度知的障害児のトイトレでうまくいかない日が続いても、子どもや保護者の頑張りが足りないからではありません。排泄のパターンを記録し、環境を整え、視覚的なサポートを取り入れながら小さな成功を積み重ねていく。その一つひとつが、確実に子どもの力になっています。

どうしても行き詰まったときは、相談窓口やアイテムという選択肢も頼りながら、子どものペースを信じて一歩ずつ進んでいきましょう。

【参照】
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル

https://www.psychiatry.org/psychiatrists/practice/dsm/updates-to-dsm

【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】

尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。

今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。

【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生

横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること

  • 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
  • 今日からできる排せつ支援の工夫
  • トイトレを始めるタイミングの見極め方
  • 焦らず進めるための考え方 など

その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。

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みんなのトイトレ体験談

▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例

▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!

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