
中学生になってもまだオムツが外れない



これからどうすればいいのか、誰にも相談できない
自閉スペクトラム症の子どものなかには、中学生になってもオムツがとれない子もいます。幼児期からトイトレに取り組んできたのに思うように進まず「関わり方が悪いのかも」と自分を責めてしまっている保護者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、自閉スペクトラム症の特性がオムツが外れにくい理由とどう関わっているのか、そして今日からできる介助のコツについて解説します。「中学生の我が子のオムツが外れる日は来る?何かできることがある?」と感じている方は、ぜひお読みください。
自閉スペクトラム症の子どものオムツが外れないのはなぜ?


自閉スペクトラム症の子どものオムツが外れにくいのは、発達障害の特性が関わっています。
自閉スペクトラム症は、社会的コミュニケーションの困難さや感覚の過敏・鈍麻、こだわりの強さなどがみられる発達障害です。これらの特性は、排泄自立のあらゆる場面に影響します。
たとえば感覚過敏がある場合、便器の冷たさや水の音がストレスになることがあります。こだわりの強さから、オムツの感触に執着する子どもも少なくありません。また、尿意・便意を自分でうまく感じ取れないケースもあります。
日本小児保健協会が実施した研究でも「自閉スペクトラム症のある子どもはオムツ外れが遅れる傾向があり、一部に6歳を過ぎても排泄自律が得られない子どもがいた」との結果が記されています。



中学生になってもオムツが続いているのは、特別なことでも、育て方の失敗でもないんじゃ
【参照】自閉スペクトラム症幼児の排泄自律困難に関わる研究|公益社団法人 日本小児保健協会
中学生からでもオムツを外せる可能性はある
「もう中学生だからオムツを外すのは難しそう」と感じている保護者の方もいるかもしれません。しかし、思春期以降に排泄の自立が進んだケースも実際にあります。
排泄の自立に必要なのは、主に以下の3つの力です。
- 尿意・便意の感覚を自分で認識できる
- トイレまで移動して一連の排泄動作が行える
- 「トイレで排泄する」という行動パターンが定着する
この3つの力が整うタイミングは、子どもによって大きく異なるものです。成長とともに身体の感覚が育ったり、家庭や療育、学校での積み重ねで突然トイレへの意識が芽生えたりすることもあります。
「何歳までに自立させなければ」というゴール設定は、保護者にとっても子どもにとっても大きなプレッシャーです。自立を目指す場合も、本人のペースを最優先にしながら焦らず関わる姿勢が大切といえます。
自閉スペクトラム症の中学生のトイトレを楽にするサポート
「そうはいっても、何から手をつければいいかわからない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、自閉スペクトラム症の中学生のトイトレを楽にするために今日からできるサポート方法をご紹介します。できることから、無理のない範囲で試してみてください。
感覚過敏に配慮したトイレ環境にする


自閉スペクトラム症の場合、便器の冷たさや水の音、トイレットペーパーの感触など、感覚過敏による不快が「トイレ嫌い」の根っこになっている場合があります。この感覚的なハードルは、成長しても変わらない場合が多いため、以下のように一つひとつ取り除く働きかけが有効です。
- 便座カバーや保温便座で冷たさを解消する
- 子どもがトイレから出たあとに保護者が水を流す、または自動洗浄をオフにするなど、音のタイミングをコントロールする
- 本人が好きな香りのハンドソープを置き、トイレを「少し好きな場所」に変える
「何が嫌なのか」を観察しながら小さな改善を重ねていくイメージで関わると、少しずつ変化が生まれる場合があります。
すべてを一度に変えようとせず、一つずつ試していく姿勢が続けるコツなんだね
▼トイレ環境の調整についてはこちらの記事で解説しています


視覚支援でトイレへの見通しを持たせる
「トイレに行って」と言葉だけで伝えても理解が難しい場合、絵カードやスケジュール表など、視覚的にわかるツールを使うと子どもが理解しやすくなります。また「〇〇が終わったらトイレに行こう」など、本人が見通しを持ちやすいタイミングで声をかけるのも効果的です。
この時注意したいのは、「トイレに行こう」という声かけを周囲の目がある場所で行わないなど、羞恥心に配慮することです。特に中学生の場合は、本人が「恥ずかしくない」と感じられる環境づくりが、トイレへの抵抗感を減らすうえで重要な視点です。



子ども本人の尊厳を大切にするためにも大事なことなんじゃ
▼トイトレへの絵カードの活用方法はこちらの記事で紹介しています


DFreeで排泄のタイミングを予測して介助の負担を減らす


トイレに行った時間を数日間記録すると、排泄のパターンが見えてきます。排泄パターンが見えると「この時間帯にトイレに誘ってみよう」という見通しが立てやすくなるため、介助の負担軽減に繋がります。
ここで特に役立つのが、排尿予測デバイス「DFree」です。DFreeは、下腹部にセンサーを装着することで、膀胱内のおしっこの溜まり具合を超音波で計測します。尿が溜まったタイミングを、スマートフォンやタブレットに通知してくれるため、トイレ誘導に役立てられるのが魅力です。
尿意を言葉で伝えられない子どもや自分で尿意をつかみにくい特性を持つ子どもにとって「もうすぐトイレかも」というタイミングが「見える化」されるのは大きな助けです。
DFreeを使えば、トイレへの誘いかけがスムーズになり、成功体験を積みやすくなるだけでなく、保護者側の「いつ交換すればいいかわからない」という精神的な疲労も和らぎます。排泄自立を目指す場合にも、介助をより楽に続けたい場合にも対応できるツールです。
▼DFreeの使い方やメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しています


学校や支援者と連携する
保護者の負担を軽減するためには、学校や療育、放課後等デイサービスなどと連携してトイトレの課題を共有するのも大切です。
- 家庭でうまくいったトイレの誘い方
- スムーズに座れた工夫
- 家でのトイレのタイミング
- 嫌がるポイント など
上記を共有して支援の場でも同じアプローチを続けてもらえると、支援に一貫性が生まれて子どもが安心しやすくなります。支援者によってかかわり方がバラバラになって子どもが混乱するのを防ぐためにも、こまめな情報共有を心がけるとよいでしょう。
「介助を上手に続ける」のも立派な選択肢のひとつ
自閉スペクトラム症の子どものトイトレは、一般的な対応では難しい場面も多く、長い道のりです。
「いまは自立よりも、毎日の介助を少しでも楽にすることを優先したい」そのような気持ちも、決して間違いではありません。子どもだけではなく、保護者自身も無理をしない範囲で続けるのが、長く関わり続ける力になります。
とはいえ、中学生の介助は、体力的・精神的に保護者への負荷がどうしても大きくなりやすいものです。そんなときは、放課後等デイサービスや相談支援専門員など、使える支援を積極的に頼るのも大切な選択肢です。
また、修学旅行や宿泊行事の際には、事前に学校側と「誰が対応するか」「どこで交換するか」を具体的に確認しておくと安心です。合理的配慮の観点から、学校への相談は保護者の権利でもあります。



介助を誰かと分担したり専門家に相談したりするのは、子どものためにも保護者自身のためにもなるんじゃな
自閉スペクトラム症の中学生のオムツ問題は一人で抱え込まない
自閉スペクトラム症の中学生のオムツについて、大切なのは「早く自立させること」より「子どもが安心できる環境を整えながら、保護者自身も無理なく関わり続けられる方法を見つけていくこと」です。
一人で抱え込まず、学校や療育機関、支援者などに相談しながら使えるサポートを少しずつ取り入れていきましょう。子どものペースに寄り添いながら積み重ねてきたことは、必ずその子の力になっています。
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▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!














