
おしっこが「出そう」なことも、「出た」ことも教えてくれない



どこまで理解してるのかもよくわからない



そもそも「トイトレ」が出来るのかな…
お子さんのトイレの自立に向けて、こんな状況に心当たりはありませんか?
・尿意を教えてくれない
・トイレ誘導のタイミングがわからない
・座らせても出ない
・事後報告がない
・オムツで排泄してしまう
今回は、このタイプのお子さんのトイトレの進め方をステップ形式でまとめました。解決のヒントとなる記事もたくさん紹介します。



誰にでも得意・不得意があるのと同じじゃよ。子どもがなにが苦手なのか、どうすると親子それぞれストレスが少なくトイトレを進められるのか、ひも解いてみよう。
まず、これだけ知っておいてほしいこと
一般的な子育て情報はこう言います。
「尿意がわかる → できるようになる」
でも、特性やハンディを抱えるお子さんの場合、この順番が逆であることがとても多いのです。


「やってみる(成功する)→ わかっていく」
まずはとにかく、「トイレで出す」という体験を積み重ねる。「座ったら出た、なんかいい感じ」という体験が繰り返されることで、身体が「座る=出る」という感覚をおぼえ始め、やがて自分から動く力が育っていく。
理解させてから動かすのではなく、まず成功体験をつくることで、理解と行動が後からついてくる。これが、このタイプのお子さんのトイトレの根本的な考え方です。



排泄支援に長年携わっていますが、「とりあえずやってみて、できるようになってきたら理屈がわかってきた(事後学習)」という成長の仕方をするお子さんはとても多いです。
発達がゆっくりだったり、障がいのあるお子さんの場合は特に、一般的な「わかるようになってからできるようになる(説明→理解→行動)」という順番ではうまくいかないことが事実としてあるんです。
「なぜ進まないのか」——言葉で伝えられない・肢体不自由の子ども特有の“4つの壁”
壁① 「不快感で教える」という定石が通じない
- 「布パンツやトレパンで不快感を教えましょう」と支援者に言われたが、そもそもパンツに足を通すことを激しく拒否する。
- オムツの中にこっそり仕込んでも、気づいた瞬間に脱いでしまう。
一方で、オムツやトレパンが濡れても「気持ち悪い」と感じにくいお子さんもいます。
感覚の過敏も、鈍麻も、身体の特性です。
壁② 「出る前に教える」が難しい
「おしっこが出た」という事後報告はできるようになっても、「出る前に教えてね」という概念が伝わらないことがあります。
「事前報告」には、言語能力だけでなく、
・尿意を感じる
・それを認識する
・言葉や行動に変換する
・相手に伝える
という複数のステップが必要です。
身体能力的にトイレへ行くことはできても、その前段となる認知や変換の部分が難しいことがあります。
壁③ 支援者やネット情報との「絶望的なミスマッチ」
療育や病院で相談しても「時間を決めて何度も連れていきましょう」という一般論しか返ってこない。
ネットやSNSは定型発達児の情報ばかり。気づいたら「どうせうちの子には当てはまらない」と、検索すらしなくなるように…。
壁④ サイズアウトの焦りと「終わりの見えなさ」
周囲から「焦らなくていい」と言われても、子ども用オムツの最大サイズが限界に近づいている。大人用オムツへの移行はコストも心理的な負担も大きい。
「今が外し時」と焦る気持ちはあるけど、次の一手がわからない——。
【発語困難・自分で移動できる】子どものトイトレの進め方
この記事で紹介するのは、以下のようなお子さんに向けたトイトレの進め方です。
・発語やサインでのコミュニケーションが十分ではない
・自分で歩いて(または少しの介助で)トイレに行ける
・トイレの自立はまだ
このタイプのお子さんは、「身体的にはできる(軽い介助だけでよい)のに、理解や意思表示がつながらない」ことが大きな特徴です。
▼【発語困難・自力で移動できる】お子さんのトイトレステップ
【STEP 1】排尿リズムを知る(オムツの濡れていない時間=「ドライタイム」の把握)
↓
【STEP 2】トイレ空間を整える(安心できる場所をつくる)
↓
【STEP 3】「座る」に慣れる(成功体験の土台づくり)
↓
【STEP 4】タイミングを合わせて「確実に出す」(やってみる→わかるの起点)
↓
【STEP 5】サインや意思表示の芽を育てる(サイン・意思表示の育て方)
↓
【STEP 6】パンツへ移行する
【STEP 1】排尿リズムを知る(オムツの濡れていない時間=「ドライタイム」の把握)
まず最初に大切なのは、おしっこのタイミングを把握することです。
言葉で尿意を伝えられないお子さんの場合、排尿のタイミングがわからないと、親は常に様子を見続けるしかありません。「いつ出るのか」をつかむことが、その後のすべてのステップの土台になります
躓きポイント
トイレに連れていっても出ない(空振り)



1〜2時間おきに連れていっていますが、座らせても出ないことが多いです…
まずは、オムツが濡れていない時間(ドライタイム)をチェックし、排尿のリズムを見てみましょう。確認の頻度は、1〜2時間おきでも、起床時・食後・帰宅後・入浴前など生活の流れに合わせる形でもOKです。
記録するのは、以下のような内容で十分です。
・チェックした時刻
・オムツの状態(濡れている/乾いている)
・おしっこの量(多い/少し/なし)
・うんちの有無
▼【STEP 1】排尿リズムを知るためのヒントは、以下の記事が参考になります









ドライタイムを記録してみたけど、バラバラで規則性がわかりません
ドライタイムが安定せず、誘導するタイミングがわかりにくい場合には、排尿予測デバイス『DFree(ディフリー)』を使ってみるのもおすすめです。
『DFree』は、下腹部に装着することで、膀胱の尿のたまり具合を測定し、10段階の数値で表してくれる機械。排尿のタイミングをスマホやタブレットに通知してくれるため、成功に繋がりやすくなります。
▼ ドライタイムが安定しない場合や「ドライタイムの記録ってちょっと大変そう…」という方にも『DFree』がおすすめ




【STEP 2】トイレ空間を整える(安心できる場所をつくる)
誘導タイミングがつかめてきたら、トイレへの「慣れ」と「安心感」を得られるような空間づくりをしましょう。このステップでは、まだ「排泄の成功」を目指さなくて大丈夫です。
・トイレ空間や便器そのものに慣れる
・「トイレに行くこと」への抵抗感をなくす
・「トイレ=安心できる場所」というイメージをつくる
身体的な動きに大きな制限がない場合、まずは環境の“安心感”や“慣れ”を優先して考えましょう。
躓きポイント
トイレ自体を怖がる・嫌がる・入れない



手をつないで入ろうとしても、入り口で固まってしまいます



トイレの音が怖いのか、流す音が聞こえると泣いてしまいます
「空間が苦手なのか」「便座が合わないのか」「音が怖いのか」を一つずつ確認していくことで、本当の原因が見えてきます。
▼【STEP 2】トイレをお子さんにとって安心な場所にするには、以下の記事が参考になります








【STEP 3】「座る」に慣れる(成功体験の土台づくり)
このステップの目標は、「排泄」ではなく、「座ることが安心でポジティブな体験になること」です。
このタイプのお子さんの場合、自分で座ること自体はできても、その意味づけや習慣化が難しいことが多くあります。そのため、以下のポイントが大切です。
・座れたこと自体を全力で肯定する
・座る時間はまずは短時間でOK
・必ず終わりを見せる(見通しを立てる)
躓きポイント
座ること自体を嫌がる・すぐ立ち上がる



3秒も座っていられません。すぐ立ち上がってしまいます



便座に触れた瞬間に泣いて拒否します
終わりの見通しが立てられないことで、不安になっているお子さんも多くいます。
「10数えたらおしまい」「お歌1曲歌ったらおしまい」と、必ずゴールを明確にしてから始めることが重要です。
▼「座ること」に慣れるためには、以下の記事が参考になります










【STEP 4】タイミングを合わせて「確実に出す」(やってみる→わかるの起点)
排尿リズムがつかめてきたら、タイミングを合わせて誘導しましょう。
自力で“排泄する力”はある場合、ネックになっているのは“タイミングのズレ”であるケースが多いです。
ポイントは 「とりあえず連れていく」から、「確実に出そうなタイミングで連れていく」こと。「座ったら出た」という成功体験を確実に積み重ねることで、「やってみる(成功する)→ わかっていく」につながります。
躓きポイント
誘導タイミングがつかめない・空振りが続く



「そろそろかな」と思って連れて行っても、出ないことが多くて…
おしっこがたまっていないタイミングでトイレに座っている可能性が高いです。 オムツが濡れていない時間(ドライタイム)を記録する、もしくは『DFree』を使って、おしっこが溜まっているタイミングでトイレに連れていくことで、 成功する確率を上げることができます。
▼ 誘導タイミングがつかめない場合には、以下の記事が参考になります




▼ ドライタイムが安定しない場合や「もっと確実に把握したい」という方には、おしっこのたまり具合を通知してくれる『DFree』もおすすめ


【STEP 5】サインや意思表示の芽を育てる
成功体験が積み重なると、少しずつ変化が生まれてきます。この段階では、最初から「自分で伝えること」を目標にしすぎないことが大切です。
・視線(例:自分からトイレの方向を見る)
・体の動き(例:腰をもじもじさせる)
・そわそわする様子(例:そわそわして遊びが止まる)
こうしたサインの「芽」を、大人が見つけて拾い上げましょう。「大人が気づいて成功させる」経験の積み重ねが、サインの発達につながります。
躓きポイント
サインがどれだかわからない・サインを出してくれない
サインがなかなか見つからない・出てこない場合には、おしっこの溜まり具合を数値で知らせてくれる『DFree』を併せて使用することで、



通知が鳴る前後で、落ち着きがなくなって歩き回ることが多いかも



数値が“6”くらいになると、こちらの様子をチラチラ伺うことが多い気がする…!
といった、一見わかりにくいお子さんのサインの“芽”と、尿意との関連性を可視化することができます。
サインがなかなか出てこないお子さんでも、排泄タイミングに合わせたトイレ誘導を地道に継続することで一歩一歩ちゃんと前に進んでいるよ!
▼【STEP 5】排泄サインの発見と意思表示づくりには、以下の記事が参考になります




※トイレを伝えるサインのつくり方の記事も、準備中!
▼ サインがなかなか出てこない場合、DFreeが心強いパートナーになるケースも


【STEP 6】パンツへ移行する
トイレでの成功体験が積み重なってきたら、パンツへの移行を検討します。
まだ成功体験が少なくても、発語がなかったり、歩行介助が必要でも、パンツを履き始めて大丈夫。親がチャレンジしたいと思ったタイミングや子どもがパンツに興味を示した時など、「やってみようかな」と思えたら挑戦してみましょう。



発達に特性があるお子さんや障がいのあるお子さんの場合、トイレの習得に時間がかかることもあるため、「早く始めて、ゆっくり時間をかけて進める」というスタンスが大切です。ドライタイムを確認した後にすぐパンツを履いてみる、という進め方でもいいんです。
ただし、一気にパンツへ切り替えるのではなく、まずはおしっこの溜まっていないタイミングを狙って、少しづつパンツを履く時間をつくっていきましょう。
・ドライタイムの記録やDFreeの通知を参考に、まずはおしっこの溜まっていないタイミングだけ履いてみる
・最初のうちは30分〜1時間など、時間を区切って履く
・家の中だけなど、安心できる場面から試す
・夜間は無理をしない
親も子も背伸びする必要はありません。無理せずパンツとオムツを状況に応じて使い分けることも、大切な選択肢のひとつです。
躓きポイント
パンツを嫌がる・拒否する



「パンツ履く?」と聞くと必ず「嫌!」と言います



漏らしてしまうのが怖くて、パンツに踏み切れません
コミュニケーションが取れるお子さんの場合、「パンツを履く?履かない?」(Yes/No)と聞くと「嫌だ」と言われることもあるでしょう。
その場合、「こっちとこっち、どっちにする?」と2択で選ばせることで、自己決定感が生まれ、拒否が減ることがあります。



発語がないお子さんの場合でも、ジェスチャーや視線などで“一緒に”選んで、挑戦してみるとよいぞ。それでも拒否感が強い場合は、まだパンツに挑戦するタイミングではないのかもしれないのぅ。
▼【STEP 6】パンツへの移行には、以下の記事が参考になります






トイレの一連の流れを確認するチェックリスト
トイトレが進んできたら、全体のどこができていて、どこが難しいかを確認してみましょう。
子どもを評価するためではなく「どこをサポートしてあげたらいいか」に気付くためのリストだよ。定型発達の小学生でもすべてにチェックが入ることは難しいことを忘れずにね!
【事前準備】
□ トイレに行くタイミングを周囲が把握できる
□ トイレまで移動できる
□(可能な範囲で)ズボンやパンツの脱ぎ履きに協力できる
□ (介助やトイレグッズも活用して)便座に安定して座れる
□ トイレへの抵抗が少ない
【排泄中】
□ 出しやすい姿勢がとれる
□ 適切な時間座っていられる
□ 力まずにリラックスできる
□ タイミングが合えばトイレで出せる
【事後処理】
□ (可能な範囲で)ズボンやパンツの脱ぎ履きに協力できる
□ 水を流す・手を洗うなど流れの一部に参加できる
□ 家庭・学校・デイで記録や対応が共有されている
躓きポイント
「できない」部分があって、なかなか一人で最後まで出来るようにならない



ズボンの上げ下げが全然できなくて、結局全部手伝ってしまいます



水を流すことを怖がって、最後にいつも崩れてしまいます
「できない」に対しては、「代替手段で補えばいい」という発想も大切です。
たとえば、ズボンが難しければゴム紐の緩いスカートに変える。水を流せなければ自動洗浄トイレや印をつけたボタンで補う、など。
できないことは無理にやらず、できる形を見つけることも一つのゴールです。
▼トイレの自律に向けたサポート方法は、以下の記事が参考になります




「出るタイミング」がわかると、トイトレは変わる
言葉で尿意を伝えられないお子さんの場合、「いつ出るか」を知ることが、トイトレを大きく前に進めるきっかけになります。
「できる力」自体はすでにあることが多いため、“タイミング”と“成功体験の積み重ね”で次のステップへとつながっていきます。
まずはドライタイムを記録したり、排尿予測デバイス『DFree』を使って排尿タイミングをつかみましょう。
今だけ!子どもトイレ研究所からの申込み限定で、DFreeの無料お試し期間が1週間→【2週間】に延長中です。
DFreeの無料お試しは、お子さんに合わなかったら返却しても大丈夫。まずは「見える化」してみることで、トイトレが動き始めるよ!


【育児書のように進まないトイトレでお悩みのあなたへ】
「尿意を言葉で伝えられない」 「マニュアル通りのトイトレでうまくいかず、焦っている」 「“様子を見ましょう”“少しずつ進めれば大丈夫”と言われるけど、このままでいいのかな…」 そんなトイトレや排泄ケアに関して「どうしたら…」と悩んでいるあなたへ。
今、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座を開催しています。
【登壇者】理学療法士・公認心理師 髙橋賢太郎先生
横浜市の療育センターで15年、発達障害や肢体不自由児の療育に従事。制作に携わった排泄支援ハンドブック「こころと体に合った排泄スタイル」はキッズデザイン賞を受賞。理学療法士と公認心理師の双方の視点から、子どもと家族を包括的に支援する専門家。

この講座でわかること
- 言葉で伝えられない子への具体的なアプローチ
- 今日からできる排せつ支援の工夫
- トイトレを始めるタイミングの見極め方
- 焦らず進めるための考え方 など
“その子に合わせた進め方”を、排泄支援の専門家が解説します。
・講師は、1,000組以上の親子を見てきた排泄支援の専門家(理学療法士 兼 公認心理師)
・たった30分の無料講座
・毎日オンライン開催しているので都合に合わせて視聴可能
▼排泄支援の専門家による『トイトレの進め方』講座の詳細はこちらから
みんなのトイトレ体験談
▼【知的障害・4歳女の子】のトイトレ事例
▼【夜尿症・8歳男の子】のトイトレ事例

▼【先天性疾患/体幹機能障害・7歳女の子】の活用事例

▼DFreeについてはこちらの記事で詳しく解説しています!














